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emacsで快適なEPWING辞書環境を構築する

emacsで快適なEPWING辞書環境を構築する

概要

今じゃほとんど流通していないEPWING形式というフォーマットの辞書ソフトが かつていろいろありました。 オープンなフォーマットの電子書籍なのでいろいろな環境で 使えます(ました)。 これをemacsから使うと最高に便利なんです。

ただ、非常にマイナー故に新しい環境を構築するたびにどうやったか悩むので 自分向け備忘録のつもりでまとめました。

以下を用います。

Kazuhiroさんのソフトは、なんと2023年にアップデートが実施されて いました。ありがたや……。

lookup.el

  • ダウンロードした lookup を展開し、configure, make します。
$ unar lookup-1.4+media-20220424.tar.gz
$ cd lookup-1.4+media-20220424
$ ./configure
$ make
  • lisp フォルダを自分の emacs の load-path に置きます。

  • emacs を起動して M-x byte-compile-file で lookup.el をバイトコンパイルします。これしないと lookup-logo.xpm がないというエラーが出て lookup が起動しないぽいです。

eblook

  • libeb16-devlibz-dev が必要なので apt install でインストールします。macOS の場合は libeb16 が簡単に入手できません。(次項でで)後述します。
  • ダウンロードした eblook を展開し、configure, make install します。
$ sudo apt install libeb16-dev libz-dev
$ unar eblook-1.6.1+media-20220426.tar.gz
$ cd eblook-1.6.1+media-20220426
$ ./configure
$ make install

(補足) macOS での libeb16 の調達

他にもっと簡単な方法があるかも知れませんがぼくが調べた 限りではなかったのでこんな方法で。

  1. 適当な Linux ディストリビューションでlibeb16のソースtar ballをゲットします。Debian系ならapt-get source libeb16

  2. それを展開して、その中にあるeb_4.4.3.orig.tar.bz2を展開します。

  3. そのなかで ./configure, make, sudo make install します。

以上で(少なくともぼくの環境では) /usr/local/lib/ に libeb.16.dylib等が作られました。

init.el

emacs の初期設定スクリプトに EPWING 辞書を指定します。こんな感じです。

(setq lookup-search-agents '((ndeb "/usr/local/share/dict/tougou/tougou08")))

完成

[meta] + [x] + lookup で起動します。検索してみるとこんな感じに画像なども いい感じに表示される便利なオフライン辞書になりました。

moon in Kojien

広辞苑で「月」を検索した様子