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3端子レギュレータの使い方

3端子レギュレータの使い方

どんなものか?

簡単に言うと、 三端子レギュレータとは安定な電源(電圧源)を作るための電子部品です。 その名のとおり、端子が3つ(入力・グラウンド・出力)あります。

3-terminal regulators

三端子レギュレータ。どの端子がどの機能かはデータシートで確認。

どういうシーンで使うかというと、安定な電源が欲しいときや 決まった電圧の電源が欲しいときです。 例えば電池駆動する回路を作るとします。電池 4 本だと 6 V の「はず」 ですが、実際は新品の場合 6 V 以上あるのがふつうです。 逆に電池が消耗してくると 6 V を下回ってしまいます。それだと 困るときに三端子レギュレータを使うと、 5.5 V だろうが 6.5 V だろうが、多少交流成分を持っていようが、 常に 5 V を取り出すことができます。

どう使うか?

ほとんどのデータシートに使用例が書いてありますが、基本的にはどれも 同じで定石的な使い方しかしません。

example circuit of 7805

この図で、+BATT 端子が入力で、例えば電池の + 極につなげます。 すると出力である VCC 端子からはある決まった電圧(7805 という品種の 場合、+5 V)が出力されます。コンデンサは図のように入力側と 出力側に 0.1〜10 uF 程度入れるのがふつうですが、その辺は 本当はデータシートを読んで調べましょう。ま、研究室に在庫がたくさん あるので0.1 uF と 10 uF で問題ないと思います。

選び方

三端子レギュレータと言ってもたくさんあります。 以下のポイント(など)を中心に選定してください。

  • 出力電圧…もちろん。これが一番重要です。定番の 78xxシリーズや79xxシリーズの場合、 5 V なら 7805, 12 V なら 7812 など となっています。 正負にも気をつけましょう。79xx シリーズは負電圧出力です。 例えば 7905 を使えば -5 V と言うように。

  • 電流…最大でどれだけ出力電流が取り出せるかも重要です。 基本的に大は小を兼ねますが、大容量の品種は大きかったり高かったり します。

  • ドロップアウト電圧…5 V の出力を得たいときは、その 5 V より 少し高めの電圧を入力する必要があります。この「少し高め」が 具体的に何 V なのかが「ドロップアウト電圧」という値です。 定番の 7805 はドロップアウト電圧が 2 V なので 5 + 2 = 7 V 以上 を入力する必要があります。ドロップアウト電圧は 小さいに越したことはありません。

使用上の注意

3端子レギュレータは落とした分の電圧を すべて熱として消費します。 このご時世にエネルギの無駄遣いは『もったいない』という点も重要ですが、 まずは発熱に注意してください。結構熱くなります。 だから多くの製品には背中に鉄板がついていて、追加のヒートシンクを 取り付けやすように穴も開いています。

back of 7805

背面の放熱板。熱くなるので注意。これでも不足ならさらにヒートシンクをつける。