[大阪工業大学は限界を超えていく] Series03 開設30周年 情報科学部/DXフィールド 地域社会・産業の新たな価値創出を牽引

[ 未来をつくる人材を社会へ ]

大阪工業大学情報科学部は1996年の開設以来、情報技術の進化とともに発展してきた。
その歩みの今を最も象徴するのが、大規模実証実験施設「DXフィールド」。
ここを拠点に企業や地域とも手を携え、社会課題解決に向けた人材育成を進めている。

ドローンが飛び交い ロボットが走る大空間

2026年4月、情報科学部は開設30周年を迎えた。開設時から近未来を見据え、実用的な知識と技術を備えた情報プロフェッショナルを育成し、9,000人超の卒業生を輩出。21年にデータサイエンス学科、25年に実世界情報学科が加わり、情報知能学科、情報システム学科、情報メディア学科の5学科を擁する。
この情報科学部の新たな施設として、25年4月、枚方キャンパスに誕生したのがDXフィールドだ。ドローンやAI、IoT、4D仮想空間、VRなどの技術を用いた様々な実験・実証を行う教育・研究拠点である。延床面積は約1,400㎡と国内最大級で、屋内空間は柱がなく広々としている。建物の高さも19m以上ある。「多数のドローン飛行が可能な国内有数の環境を有しています。IoTセンサーや3Dカメラなども自由に取り付けることができ、ニーズに合わせた研究テーマを取り扱うことができます」と、学長補佐でもある情報科学部の佐野睦夫教授。
ただ、DXフィールドはスケールや設備だけを誇る施設ではない。情報科学部長の椎原正次教授は語る。「ここはあくまでも“場”。学生と企業・地域との連携など、中身である取り組みこそが重要なのです」

企業や地域の課題を 自分事にする学び

DXフィールド開所時には、大阪府枚方市・北大阪商工会議所・枚方信用金庫・大阪工業大学の4者間で「社会課題解決のためのDX推進に関する協定」を締結。施設を共に活用し、成果を地域還元する体制を整えた。その取り組みが評価され経済産業省が産学融合を推し進める「J-Innovation HUB 地域オープンイノベーション拠点選抜制度」で地域貢献型イノベーション拠点に選ばれた。
また同学部では以前から、企業や行政が抱える業務・地域課題に学生が挑むプロジェクト「ソーシャル・オープンイノベーションチャレンジ」を実施している。DXフィールドの誕生で挑戦の場が増え、4者協定によって課題領域も広がった。
「本学部の学生の印象を企業の方に聞くと、『会社の課題を自分事として取り組んでくれる』と。実践的な教育が実を結んでいます」と椎原学部長。学生のみならず、大学院で展開する社会人向けリカレント教育でもDXフィールドの活用が期待される。多様な人々と協働しながら実社会の課題に向き合い、新たな価値を生み出す──大阪工業大学情報科学部が追求し続けてきた人材教育は、今後さらに加速していく。

2026年8月6日付・日本経済新聞大阪本社版より転載
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