電動機械の出す「騒音」を人々がどう評価するのかを研究
企業の技術者と共同研究を重ねる
実家が工場だったため、子どもの頃から身近に機械がある環境で育ちました。
大阪工業大学を進学先として選んだのは、研究が多彩なイメージがあり、様々な機械に触れられる機会があると思ったからです。
学部4年間では専門知識を学ぶことに加え、ゼミや学会などで自分の研究を発表する機会に恵まれました。また3年次の時に参加した国際PBL(課題解決型学習)では、台湾で共同演習を体験。風力発電の風車を制作し、発電効率や振動の少なさを競い合いました。地元の学生たち、ベトナムやインドネシアといった他国の学生たちの熱意に触れ、言葉や文化の壁を越えて協働できたことは、後の研究にも影響するとても貴重な機会だったと思います。
現在は大学院で学部時代からテーマとしてきた、「機械騒音」について継続して研究を行っています。電動機械が作動時に出す機械騒音を、それを操作する人が「能動的に」聞いたときと、作業している人の近くにいる人が「受動的に」聞いたときで音に対する評価がどう変わるのかを研究しています。実家が工場だったため、ずっと機械の音を聞いてきたことが、こうした研究につながったのかも知れません。企業の方々と協働で研究や実験をする機会も多く、全国の研究拠点を訪れてきました。あるメーカーの技術者の方々と北海道で芝刈り機の振動・騒音に関する実験を行ったときは、学生の参加者は私1人だけ。しかしこういう経験を経ることで、社会人としての常識や集団の中での立ち振る舞いなど、人間的にも成長することができたと思います。また共同研究の後には毎回、企業の方々を対象とした報告会を行うので、自信を持ってプレゼンすることができるようになりました。
就職先は農機メーカーの大手。内定前に研究所を訪れる機会があり、技術者の方々と言葉を交わしたことから、とても自由で働きやすい環境であることを知りました。海外に向けて活躍できる、グローバルなエンジニアを目指します。