人口減少で水道に流れる水の需要が少なくなり、水質が低下
効率的な解決策を模索した研究経験を活かし、地域に貢献する
「人口減少下における水供給」をテーマに卒業研究に取り組んでいます。日本では人口減少により、全国的に水需要が少なくなっています。これにより、上水道内の流量が低下し、結果として水道水の塩素濃度が低下したり、濁水が発生したりと様々な不具合が生じています。現在、こうした問題への対処法は、水道管の末端から排出される「捨て水」を増やし、水道管の流量を安定させること。ただ、それでは水の無駄遣いにつながり、水道料金にも影響してしまいます。私の研究テーマは、この問題に対して更に効率の良い対処法を模索することです。
高校時代から物理のなかでも特に「流体」に興味があり、これを活かした知識や技術を学びたいと考え、大阪工業大学に入学。「環境工学演習」では土砂などの土の粒子が水中移動する速度を実験によって確認したり、「実践環境工学」ではある施設が取り壊されるという架空の設定に基づいて近隣への影響を評価・分析したりしました。ここではグループワークを通して、他者の気持ちや、チーム全体の仕事のペースを踏まえて行動することの大切さを学ぶことができました。また「環境土木論1・2」は、土質力学や構造物の強度などの理論的なことを学びながら、同時に進めていた公務員試験とも内容がリンクするところが多かったので、特に印象に残っている授業です。
就職活動の結果、大阪広域水道企業団から内定をいただきました。キャリア支援課に相談したときに、公務員にも理系職があることを知ったことが興味を抱いたきっかけです。 内定先との面接では自らの研究内容を積極的にアピール。企業団でも大阪府下の水道局に関して数々の課題を抱えており、経営面も見越した提案ができる人材を求めていたとのことで、大学での学びがそのまま評価され、とても嬉しく思いました。将来的には企業団の本部で働き、大阪府全体の水道管理を担当したいと思います。