マスクに隠された素顔・表情を画像修復技術で再現
大学で学びを体系化し、ハッカソンで優秀賞を受賞

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大阪工業大学を進学先として選んだのは、コンピュータサイエンスを学べる独立した「情報科学部」があったからです。高校時代から独学でPythonを学んでいたため、ITにはとても関心がありました。学部では自分と同じように情報科学が好きで、専門的な話で盛り上がることができるたくさんの仲間と出会い、独学だけでは学べない学びや経験を得ることができました。

3年次にはグループでSpring Bootを用いたWebゲームアプリを制作しました。これは座学などで身につけた知識や技術を体系化できた貴重な機会でした。また、タイの学生と合同で開発を行う国際PBL(課題解決型学習)にも参加しました。画像処理を用いたゲームや仮想空間で動作するロボットを作ったのですが、タイの学生たちの知識や技術に対する熱意にとてもいい刺激をもらいました。

近年長引くコロナ禍でリモートでのコミュニケーションが一般的になりました。しかし、マスクをしたままでのオンラインの対話では、お互いの表情が読み取れず、感情を上手く伝えられないのが難点です。笑顔は言葉よりもさらに効果的に人の気持ちを伝えられる手段だと思うので、画像処理の技術を用いてマスクをしていても表情を相手に伝えるための研究に取り組んでいます。画像修復に用いられるInpaintingという技術を用いることで、人の顔のランドマーク情報から、鼻や口の形を再現し、マスクに隠されていない部分の表情の変化から表情を推測し、マスクをつけていない素顔を映像として表現します。こうした技術を用いることで、コミュニケーションを円滑化するのが研究の狙いです。

また、大学の単位以外で自分の勉強の成果を示したいと考え、個人でプログラマや開発者が腕を競い合うイベント「ハッカソン」にも参加しました。プログラマや開発者を目指す全国の大学生・高等専門学校生たちと協働し、画像処理を用いたゲームを制作して優秀賞を獲得することができました。自分の技術や知識を養うことに加え、チームで目的を達成することを学べたことが、大きな成長につながったと思います。就職先として関西の情報インフラを支える企業を選びました。これまで身につけた知識・技術でSEとして地域に貢献しながら、企業の経営やシステム設計などクライアントの意向を実現できる優秀な人材を目指したいと思います。


※ハッカソン…ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語。プログラマーや設計者などのソフトウェア開発の関係者が、 短期間に集中的に開発作業を行うイベントを指す。