シャープ版「カシオミニ」
SHARP『EL-120』
1973, 9,900円

EL-120

説明

1972 年、電卓界に価格破壊の激震をもたらした カシオミニ。 当然シャープがこれを座視するはずもなく翌年送り出した刺客が 本機 EL-120 です。 カシオミニ の 12,800 円という安さの秘密は、 表示桁数を当時の常識 8 桁から 6 桁に落とすという、 文字通り常識破りの荒業でした。 それに対抗すべくシャープが打った手段は…… まさかの さらなる桁数落としによるガチンコ勝負! しかも 5桁や 4 桁などという中途半端なことはせず、 おそらく絶対誰にも超えられない究極である 3 桁表示 で勝負に 出ました。こうして生まれた EL-120 は 電卓初の一万円切り を 達成します。それにしても 3 桁はやりすぎだったかもと社内で 議論があったかどうかはわかりませんが、 カシオミニ に対して何か価格以外のアドバンテージが欲しいものです。 ……そう、あるのです!本機には本体手前の側面にシーソースイッチが ついています。これは 1 ずつカウントアップするスイッチ です。 交通量調査とかでカチカチやっているアレと同じ機能が搭載 されています。これなら カシオミニ 以上に何か役に立つかも… という気がしなくもありません。(ただやっぱりコストがかかる 割にさほど好評でもなかったのか、後継機 EL-121 (こちらは6桁) では あっさり廃止 されてしまいました。)あと 裏面には正確に 5mm 間隔の定規的な模様 がついています。一台三役を狙った…のか?ちなみに本機は カシオミニがそうであったように、3 桁なのはあくまでも表示だけ です。固定小数点式ながら 12 桁の演算精度があります。 また、表示桁の切り替えは カシオミニ のようなマニュアル送りに加え、自動送りモードもついています。 デザインもなかなかおしゃれです(よね?)。

ギャラリー

カウンターようスイッチ

カウンターようスイッチ

裏面の定規模様

裏面の定規模様