ゾンビじゃなくてシーラカンス
Hewlett Packard『HP12C』
1981, 70 USD

HP12C

解説

おそらく史上最長寿の、まさに 生ける屍 …ではなく 生きた化石 と言える電卓。 どのくらい長生きかというと、1981 年に発売されて以来…、 なんと 今(2018年現在)でも新品が買える (と思う) からそりゃもう完全に常軌を逸しています。 もちろん 1981 年当時のまま 21 世紀の現代を生き続けることは部品調達、性能、 コストに鑑みて不可能なのは明らかで、微妙なアップデートは繰り返してます。 例えば 90 年代には電源を低電圧化し(電池も変更)、2008 年には独自プロセッ サを Atmel 製の ARM コアのものに載せ替えすらしました (が、ソフトウェア は当時のままエミュレーションで対応)。この他にも、高性能版の HP 12C Platinum およびその色違いの Prestige (2003)、限定モデルの HP 12C Platinum 25th Anniversary Edition (2006)、HP 12C 30th Anniversary Edition (2011) と いったものまであり、完全な鑑定はもはや一般人には不可能と言えましょう。

《金融電卓 HP 12C》は、 《ふつうの電卓 10C》《関数電卓 11C と 15C》《プ ログラマ向け電卓 16C》とほぼ同時期にほぼ同一の外観で発売された 5 きょ うだいの一つです。(アメリカだから 13C が欠番なのはいいとして、14C が どこに行ってしまったのかは他人事ながらちょっと気になりますな。) この 5 きょうだいのうち 12C だけが異常な長寿と繁栄を続けている理由の一つは、この電卓 が数少ない【CFA 試験持ち込み可】電卓の一つだからかも知れません。 その関係で今でも外資系の金融機関に就職すると研修で使うことが あるとかないとか。 あ、最後になってしまいましたが、HP 12C はこばやしが大好きな RPN タイ プです。 (Platinum 系は通常の ALG モードも搭載なので初心者にもおすすめ!)