「キミに決めた!」 by こばやし
Hewlett Packard『hp 49g+』
2003, 175.99 USD

hp 49g+

解説

偏見かもしれませんが HP のハイエンド電卓と言えば、 他とは違う独自の世界観というか信念というか、 何か特別なオーラを感じるのです。デザイン、キーボード、 ソフトウェアそれぞれに。ところがこの当時の scientific calculator のフラッグシップである HP49g+ は、 まず見て安っぽく、さらに触って安っぽい というそれはもうがっかりな電卓です。 もっともこれは 49g+ 固有の問題というよりはこの頃の HP の関数電卓の共通した課題のようで、これでも先代の 49G に比べればだいぶマシかも。ところがこの 49g+、 ソフトウェアだけはもう最強です。私見ですが、 この地球上に存在したすべての電卓の中でこいつ(と事実上 単なる色違いの後継機 HP50g)が断トツに一番 、 いや二番と比べるのもはばかられる「別格」の存在と 言えます。具体的にはすべてのシーンで RPN 入力が可能で、 プログラミングが RPL で行えて、ちゃんとした CAS が使えます。 HP28 (1986) から連綿と受け継がれた DNA が究極の高みに 到達した 最終進化形 です。というわけでぼくが一番愛用 しているのがこの HP49g+。この HP49g+ と同じアーキテクチャの 電卓には 49G, 48gII, 50g がありますが、非常に残念なことに、 個人的に悔やめる立場ではないものの、それでも悔やんでも 悔やみきれないくらい残念なことに、この系譜は 50g で完全に途絶え ます。文字通りの 最終 進化形だったわけです。HP はこのあと、 すべてをリセットして HP Prime (2013) へのフルモデルチェンジを 敢行しました。Prime は見てよし、触れてよし、なのですが ソフトが惨憺たるもので、なんかもう全然ダメです。 ( 外見以外は ) 有終の美でお家断絶となった HP49/50 に合掌……。