
化学・環境・生命工学専攻では、「応用化学コース」・「環境工学コース」・「生命工学コース」の3つのコースがあります。基本的に出身学科と同様のコースの専門領域を学びますが、学際横断的に他のコースの内容も学ぶことができます。
化学・環境・生命工学専攻は幅広い技術領域から成り立ち、基盤となる技術には共通性があります。そこで、本専攻では、学部で身につけた専門性をさらに高めるために「物質・材料分野」および「環境ソリューション分野」、「生命・医工学・食品分野」を設置し、さらに基盤技術を幅広く学ぶため「専門横断」を置いています。
化学・環境・生命工学専攻は幅広い技術領域から成り立ち、基盤となる技術には共通性があります。そこで、本専攻では、学部で身につけた専門性をさらに高めるために「物質・材料分野」および「環境ソリューション分野」、「生命・医工学・食品分野」を設置し、さらに基盤技術を幅広く学ぶため「専門横断」を置いています。
その中で、これら3分野に関わる技術を融合的に理解し使いこなせる専門職業人・高度技術者の育成を目指します。
応用化学コース
応用化学コースでは、応用化学の基盤となる原子や分子に関する知識や方法論を身に付け、有機、無機、高分子材料の開発に携わるための技術を高めていきます。
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応用化学コースのポイント
01 自らが立案する研究を実施することで、問題解決力の研鑽
化学の専門知識の修養および分析機器の操作技術の習熟に加え、研究に対して、自らが実験を立案し、問題解決能力を高めます。本コースでは、「脱炭素」と「美と健康」というキーワードを掲げて研究を進め、持続可能な社会の実現に貢献します。02 活発な研究活動を支える共同研究ネットワークの構築
国内外での大学や研究機関そして産業界と連携して、SPring-8などの最先端の技術を利用し、研究に取り組むことができます。学術情報基盤の構築や研究の進展に貢献することができるだけではなく、研究活動に関連する専門家や研究者との交流により、人脈を構築できます。03 海外での研究機関との国際交流を通じてグローバルな視点の涵養
本学の海外研究支援プログラムを利用して、共同研究先や協定大学派遣が実施されています。最先端の研究や技術に触れることができ、研究意欲の向上に繋がります。また、海外の研究機関との国際交流を通じて、異なる言語や文化、価値観に触れることでグローバルな視点を養うことができ、相互の信頼関係を築くことができます。04 国内外の学会への参加や学術誌への投稿による成果発信で社会還元
研究倫理、情報発信法や論文作成の作法などを学び、世界中の研究者や専門家が集まる国内外の学会や学術雑誌にて、自身が得た研究成果を発表します。他の研究者と意見交換を行うコミュニケーション活動を通して、お互いの理解が深められ、新しい知見を世界へと発信することで社会へ貢献していきます。
環境工学コース
環境工学コースでは、環境工学の基盤となる知識や方法論を身につけ、環境浄化、自然共生、環境エネルギー、環境システムに携わるための技術を高めていきます。
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環境工学コースのポイント
01 都市化による地域環境の変化に対し、自然との共生・新産業の創出に取り組む。
自然環境との調和を指向した新技術の開発に取り組みます。たとえば、人口集中地域である都市圏で「緑のカーテン」によりヒートアイランド現象を緩和し、自然調和型のビオトープ・緑地を創生します。「生物多様性」、「都市緑化の機能」を定量化し、その保全や実現に資する新素材の開発、植物工場への展開、さらに高機能性食品の研究といった分野に発展させます。02 微生物の代謝を利用した有用物質の生産、生態系による環境保全技術を研究。
生物の潜在能力を利用した再生可能でカーボンニュートラルな新エネルギーの開発を目指します。微生物の代謝を利用、例えば微細藻類が作る「緑の原油」、「微生物発酵が作るバイオガス」を化石燃料の代替資源として利用する研究、森林保全やバイオマスの有効活用による「カーボンシンク」について研究します。またそのような新技術の有用性を評価する「ライフサイクルアセスメント」の視点も重要です。03 水質分析を通して環境問題の実態を把握し、水質浄化のための水処理技術を実践。
環境保全は、まず環境モニタリングから。特に水質汚染の調査、水の浄化に取り組んでいます。最近では地理情報システム(GIS)を使って視覚的に解析することも重要になっています。水の浄化は、歴史は古いが奥が深い砂ろ過は勿論、特殊なバクテリアやクロレラなどの微生物を用いる方法など様々です。将来は微生物燃料電池により水の浄化と同時にエネルギー生産も可能になるでしょう。04 資源の循環を正しく理解し、省資源・省エネルギー技術について専門性を高める。
資源のリサイクル、エネルギーの有効利用は我々の社会生活と環境保全の両立にとって重要なテーマです。様々な廃棄物資源、バイオマスを利用した燃焼エネルギーの高効率利用、バイオガスを燃料とした燃料電池システム、蓄電池を利用した電気エネルギーの有効利用は環境エネルギー分野に欠かせない緊急課題です。素材のエネルギー伝達等の計算科学によるアプローチも行っています。
生命工学コース
生命工学コースでは、生命工学の基盤となる知識や方法論を身につけ、再生医療、食品開発、微生物応用、医療機器開発に携わるための技術を高めていきます。
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生命工学コースのポイント
01 自ら計画して行う実験を通して、医学・生物学と工学の実践的な能力を高める。
未来の社会を支える再生医療や食品開発を実現し、人々の生活に役立てるためには量産できる技術が必要です。本コースでは、将来的な商品化や製品化を見据えて研究を行っています。医学・生物学と工学を一緒に学ぶことで、製品開発を見据えた研究が可能になります。また、専門設備を使用して数多くの実験を行うことで、実践的な技術を身につけます。02 専門性を活かし、学外の研究機関と共同で最先端の研究に取り組む。
本コースで研究する再生医療では、事故や病気で失われた皮膚や筋肉などの生体組織を人工的に作り出すことを目的とします。関西医科大学、国立循環器病センター、京都大学と共同で、世界初の先天性巨大色素性母斑の皮膚再生治療に取り組んでいます。他にも、理化学研究所や国内の大学と専門性を活かした共同研究を積極的に行っています。03 研究成果は国内や海外の学会や学術専門誌に発表。
ほとんどの大学院生は研究成果を国内をはじめ海外の学会で発表します。研究結果をまとめ、スライドやポスターを作成し、発表練習を行い、学会では多くの研究者と意見交換も行います。学会の優秀発表賞も受賞しています。さらには、英語で作成した研究論文を学術専門雑誌にも投稿し、世界へ研究を発信しています。04 海外研究支援制度を活用し、最先端の再生医療や生命科学を学ぶため海外に留学。
これまで多くの大学院生が、アメリカ、カナダ、ドイツ、タイへ海外研究支援プログラムを利用し留学しました。現地の研究者と英語でコミュニケーションをとり、研究のみならずいろんなことにチャレンジしています。多くの刺激を受け、研究意欲の向上につながっています。