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大学紹介UNIVERSITY INTRODUCTION

教育の理念と方針

教育の理念

社会・時代の要請に応え、専門学術の基礎と実践的応用力を身に付けるとともに、広い視野と豊かな人間性を涵養し、新しい知的・技術的創造を目指す開拓者精神にあふれた、専門職業人を育成する。

教育の方針

  1. 広い視野を持った確かな人間力の涵養
  2. 個性・自主自律性の発揮と協調性の修得
  3. 準備教育・導入基礎教育などの実施
  4. 論理的思考能力と情報表現・伝達能力の養成
  5. チームワークの重視とリーダーシップの発揮
  6. 学生と教員との協働による授業の改善・改質
  7. 国際交流の重視と国際性の涵養
  8. 進路指導(キャリアデザイン支援)体制の充実
  9. 課外活動やボランティア活動の奨励
  10. 教育・研究・社会交流(貢献)の有機的連携

*2014年度教育の理念を改定

*2004年12月15日学校法人大阪工大摂南大学〔当時〕理事会承認

1.教育と学修の理念

大阪工業大学は、1922年に創設された関西工学専修学校を前身とし、1949年に工学部のみからなる単科大学として設立された。その後、社会の要請に応じて1996年には情報科学部が、そして2003年にはわが国で初めての知的財産学部が設置された。
関西工学専修学校の創設に当たっては、「世のため、人のため、地域のために、『理論に裏づけられた実践的技術を持ち、現場で活躍できる専門職業人の育成』を行う」が教育の基本方針として示された。
大阪工業大学は、基本的には上記の基本方針を継承しつつ、時代の変遷と大学自体の発展に照らして、教育と学修に関する基本理念を次のように定めている。

  1. 本学における教育は、学修者各人に潜在する能力を社会的にも有為な形に顕在化させ、練磨させることを根幹とする。すなわち、勉学に対する関心と意欲を活性化し、自主・自律の心構えを養い、かつ目的・目標を明確にしつつ、情熱をもって学修する態度を確立するよう、指導・支援を行うことを主眼とする
  2. 人間存在への深い理解に基づき、環境と共生しつつ、また国際的相互理解と協調の精神をもって、地球社会の平和・福祉と持続的発展、ならびに地域社会の振興に貢献する自覚を持ち、心身ともに健全で教養、品性と気概にあふれた人間力豊かな人材を育成する
  3. 専門とする分野の基礎知識と技術を確実に身につけ、また実社会に生起する多様な課題に的確に対応できる実践力を養う。加えて、他分野の学術にも広く関心を持って素養を身につけ、さらに新規の知識・技術の創出を図り、もって知的創造サイクルの発展に資する開拓者精神を涵養する。

以上の3項目に表される教育と学修の理念は、さらに次のように要約することができる。
「社会・時代の要請に応え、専門学術の基礎と実践的応用力を身に付けるとともに、広い視野と豊かな人間性を涵養し、新しい知的・技術的創造を目指す開拓者精神にあふれた専門職業人を育成する。」

上記の理念に示されているように、学修の出発点は自主性と自律性であり、受け身でない能動性と積極性の発揮である。次いで、常に目的と目標を明確にして、その実現と達成のためにいかなる手段が最も有効かと自問自答する姿勢である。そして、目標と手段が定まったら、情熱を傾けて集中力を発揮し、また執念と持続力をもって、目標達成に至るまで力を尽くさねばならない。
学修によって、各自の専門分野の知識と技術をマスターすることはもちろんであるが、その前に確かな人間性と品性をそなえた社会人・国際人となる自覚を高め、将来多くの人々と協調しながら、いかなる形で社会に役立つことができるかを考えつつ、自らの判断に基づいて行動し得る人間、そしてその結果に対しては自ら責任を負い得る人間として、成長していくことが求められる。
そのような学修の計画と実行に際して、教職員は一致協力して常に温かく、また時に厳しく学修者を見守り、必要に応じてアドバイスを与え、その意志と努力の発露を支援し、また学修者に迷いや疑念が生じた時には適宜指導・助言する立場にある。そして、学ぶ者それぞれの個性と希望に対応してきめ細かく指導・助言を与えるために、可能な限り、個人ないし少人数を対象とした懇切な教育・指導体制の確立を図る。
さらに、近年の学術の進歩・発展は誠に著しく、また急速なものがあることを考える時、教育に当たる者自身、常に新たな研鑽を怠らず、さらなる人格的陶冶を重ねつつ、新知識・技術の修得と創造的研究・開発の展開を図る努力を欠かしてはならない。

※2017年、ロボティクス&デザイン工学部を開設

2.教育と学修に関する基本方針

上記の理念に基づいて、本学ではまず「人間理解・人権重視と人間の相互尊重に基づく民主主義の原則の体得」「個性・自主性の発揮と協調性の修得」「自己実現と自己責任の意識の確立」「的確なプレゼンテーションとコミュニケーション能力の獲得」「組織活動におけるリーダーシップの涵養」などを重視する。さらにまた、21世紀の学術のキーポイントとも言うべき「環境・生態系との共生」「国際社会への貢献」の視点についても、十分な教育上の配慮を施すことを基本方針としている。以下、その方針に則った具体的な方策について、要点を述べる。

  1. 広い視野を持った確かな人間力の涵養
    人間存在への深い理解に基づいて、人間としての教養・見識を高め、確かな人権意識・倫理観を養い、それらを通じて民主主義の原則である人間の相互尊重、人間同士の共存、人間と自然との共生などについて学ぶことは、今後の学術の共通基盤の確立にとって不可欠であるのみならず、国際社会の平和と持続的発展ならびに地域社会の振興のために、極めて重要である。その目的に向けて、共通科目や基礎教育科目をしっかりと学習することを重視する。
    また、各自の専門分野と関連させて学際的分野を学修することも、今後ますます重要性を増すと考えており、実際に学修を可能とする柔軟な教育課程を提供する。特に本学にはわが国で初めて設立された知的財産学部が存在するので、理工系学部と知的財産学部との相互交流・連携、そしてその結果もたらされる科学技術イノベーションと知的創造サイクルの推進を担う人材の育成については、本学の特長を活かした体制を確立する。
  2. 個性・自主自律性の発揮と協調性の修得
    ただ漫然と学ぶのではなく、常に自らの目的と目標を明確にして、それを実現する手段を探索しながら学ぶことが重要である。言い換えれば、自らの目標と能力に適合した個性のある学修法を自主的に見出し、目標を達成するために自律的な努力を重ねることが大切なのである。そのようにして、それぞれの自律性と個性的能力を確立した人々が相互に尊重し合い、かつ協調し合うことによって、さらには優れた個性が適切なリーダーシップを発揮することによって、健全で発展性に富む社会が築かれるのであり、その点を教育の基本方針として重視する。
  3. 準備教育・導入基礎教育などの実施
    入学時の基礎学力の差異をできるだけ解消して、入学後の各種授業の受講における支障を低減させるために、入学前後にいくつかの基礎科目の補習・補講、個人別相談・指導(チューター制度)、学力別クラス編成などを実施する。これによって初期の学力不足に起因する勉学意欲の低下を解消するとともに、その後の勉学について目的意識を涵養することをねらいとするものである。
  4. 論理的思考能力と情報表現・伝達能力の養成
    急速にグローバル化と情報化が進む時代状況の中、国内外の社会・産業界で広く活躍できる人材を育成する目的に照らして、ものごとを論理的に把握・分析し、その結果を対人情報として的確に表現できる能力、及び国際的にもそれを伝え得る能力の養成に重点を置く。言い換えれば、価値ある内容を伴ったプレゼンテーション及びコミュニケーションの基本的な力を修得することを重視し、その上で外国語、特に実践的な英語力及び基礎的な情報技術力を着実に身につけさせる。
    そのために、多様な英語教育及び情報技術の科目を適切に提供するとともに、演習設備やランゲージ・ラボ(LL)などの整備には十分に配慮する。また、それらを効率的に利用した正課の講義・演習以外に、学生の自習も積極的に奨励し、その便を図ることに留意する。
  5. チームワークの重視とリーダーシップの発揮
    学生が自己の存在を確立し、責任をもって自己主張することができるようにする教育は、今後の国際社会で活躍できる人材の育成にとって、不可欠の要件である。さらに各種の社会的作業は殆どの場合、多様な専門家の集団(チーム)で実施されることを勘案すれば、他者との円滑な協調・協力は最も重要なポイントの一つであり、またチームワークの中で時に応じて的確なリーダーシップを発揮する能力を養うことも、教育における重要な留意点である。
  6. 学生と教員との協働による授業の改善・改質
    理念に示されたように、大学における授業は学生の潜在的な能力の顕在化と活性化を図ることが本来の姿である。それを有効に実現するためには、教員が一方的に授業の内容や方法を決めるのでなく、学生の志向や理解度に即して適応的かつ対話的に授業を実施することが必要である。言い換えれば、学生と教員との協働によって適切な学修の場を創り出していくことが求められるのである。そのために、学生による授業評価アンケートを定期的に実施し、その結果に教員が真摯に対応するという作業を継続的に行う。また、教職員同士が授業の内容や方法について率直に意見を交換し、相互に啓発し合ってより効果的な授業の場を創出する努力(ファカルティ・デベロップメント、FD)も継続的に実施する。FDにおいては、学外の第三者の意見も積極的に取り入れる。
  7. 国際交流の重視と国際性の涵養
    本学学生の海外研修や海外留学、及び諸外国からの留学生の受け入れについて、可能な限り十分な配慮を施す。その具体策として、相互交流協定を締結している外国の大学における海外研修(主に夏期に実施)や海外留学を奨励する。一方、海外からの留学生の受入れについては、今後さらに拡充を図る。また、留学生の便宜をはかるために、入試特別枠を設け、宿舎(国際会館)の整備、日本語教育科目の整備、奨学金・補助金制度の拡充などにもできるだけ留意する。
  8. 進路指導(キャリアデザイン支援)体制の充実
    各人が自らの将来の進路・人生設計(キャリアデザイン)を考えながら、それに見合った学習を重ねることが大切である。本学では、学生各人が自らの個性・適性や能力について発見し分析する機会を設け、早い時期から進路設計に関する意識を高めることを支援する。また、社会的に広く認知された各種資格の獲得を支援するために、日常の授業のほか、課外のエクステンション・コースを豊富に提供する。
  9. 課外活動やボランティア活動の奨励
    人格を陶冶し、豊かな人間性を養うための教育の一環として、学生の課外活動、さらには社会的にも意義のあるボランティア活動を積極的に奨励し、物心両面から援助する。すなわち、それらの活動を通じて、学生が特定の知識・技能の向上を図るのみならず、積極性・自主性・協調性と責任感・行動力を身につけること、社会性とリーダーシップを体得すること等を奨励し、具体的な成果を挙げるよう支援する。課外活動組織としては文化会及び体育会を設けて、それぞれに教員も参加するリーダーズ・キャンプを実施し、また各クラブに対する補助金の交付のほか、優秀な成績を収めた団体・個人に対する表彰・激励の制度もより充実させる。
  10. 教育・研究・社会交流(貢献)の有機的連携
    本学では、学術の基礎的事項の体系的学習を最も重視しながら、新しい知識や技術を自ら創り出していくことを体験させ、それに伴う苦心・労苦とともに、成果を得た時の深い喜びや感動を実感させるために、教員と一緒になって未知・未解明の課題に挑戦すること、すなわち大学の研究室における基礎研究・開発への参加を必須の要件とする。さらにまた、社会や産業界の現場における諸活動のダイナミズムに触れさせるために、企業や外部研究機関でのインターンシップ(体験学修)、あるいは研究支援推進センター等の組織を通じて、産学公共同研究開発の現場での実体験学修を重視する。

3.学修者に求められる基本姿勢

教育のことを英語ではeducationと言うが、educe とはもともと人間の中に潜在している能力を外に引き出し、社会的にも有用な形に顕在化させることを意味する。言い換えれば、教育あるいは学習とは、外から何かを与える、あるいは与えられるものではなく、各人に内在する能力を形にし、外の世界に向かって十分な働きを発揮するように、磨きをかけて活性化することなのである。
「1.教育と学修の理念」及び「2.教育と学修に関する基本方針」の項にも示されているように、本学における教育あるいは学修は、こういう考え方に基盤を置くものであることを、改めて銘記してもらいたい。既に述べたように、その考え方から導かれるのは、学習に当たっての自主性と自律性、さらには受身でない能動性と積極性の原則であり、また常に目的と目標を明確にして、その達成と実現のためにどのような手段が最も有効かと、自問自答する姿勢である。そして、目標と手段が定まったら、情熱を傾けて集中力を発揮し、また執念と持続力をもって、目標達成に至るまで力を尽くすことである。
以上のことを踏まえた上で、学生諸君の参考までに、本学で学ぶに当たって心がけるべき基本的事項を、以下にまとめておく。

  1. 大学での学修を始めるに当たって、将来、自分はどのような職業につき、どのような仕事をしたいのか、どのように自分の人生を作っていくのか、そういったこと、つまり自らの人生行路設計について、改めて考えてみよう。そして行路設計に応じて、大学での学修の目的・目標を明確にし、それを達成するための手段と筋道を考え、具体的な計画・スケジュールを立てよう。筋道と方法が決まったら、情熱、積極性と執着心をもって、また受動的でなく能動的に学修を続けよう。目標は最初からあまり高くする必要はないが、達成度をチェックしながら徐々に高くしていく。低い目標で満足する癖をつけてはならない。
  2. 自分の性格・特質や能力について、長所と短所あるいは得手と不得手を把握しておくこと、つまり自分自身を知り、客観的に分析しておくことは、勉学の目標設定や人生設計にとって、極めて有用である。大学では、そのための支援システムを提供している。
  3. 各自の専門分野の知識と実力の涵養はもちろん重要であるが、それだけでなく、専門外の学術・文化などについてもなるべく広く関心を持ち、若い時代に素養と見識を高めておくことは、社会に出てからの仕事の上で有用であるばかりでなく、人生を豊かにするという意味で、大切なことである。
    特に本学では、理工系の学生が知財の基礎知識を身につけ、知財の学生が理工系の基礎知識や先端科学技術の概要を理解することを強く勧めている
  4. 知識を蓄えるだけでなく、自分で考える力を養うようにする。また、自分で問題を発見したり設定したりする能力、そしてそれを解決する力を養うように心がけよう。
  5. ものごとを論理的に整理して考えをまとめ、それを的確に表現し他人に伝える能力(プレゼンテーションとコミュニケーションの力)を養うように心がけよう。また、論理的に明確で分かりやすく整理された文章を書く力を養おう。外国語、特に英語で表現し、伝える力をつけることも大切である。
  6. 勉学中に遭遇した疑問、不明な点や理解しにくい事項については、自分で調べたり先生に尋ねたりして、疑問などを放置しないようにしよう。
  7. 何でも率直に話しができる、相談できる、殊に困った時に真剣に相談に乗ってくれ力になってくれる、そのような友達を一人でも多く作ろう。大学時代に得た友人は、一生の財産になる。
  8. 健康はすべての活動の源泉である。自分の健康管理には絶えず留意し、無駄な遊びや過度のアルバイトなどは慎もう。

4.教育者に求められる基本姿勢

  1. 授業を始めるに当たっては、その授業が学生達の将来の勉学や仕事に何故必要なのか、どのように役立つのか、さらに進んだ知識や技術とどのようにつながるのか、といった説明を加え、それによって授業に向き合う動機付けを与えることが必要である。
  2. 授業では、できるだけ学生らと向き合い(黒板の方を向いたままでなく)、彼らの顔や眼を見つめながら話をする。これは、聞き手に親密感を与えるとともに、学生が興味を持って聞いているか否か、どの程度理解しているか、などを知るのに役立つ。
  3. 講義では、なるべく大きな、はっきりした声を出し、教室の後方でも明瞭に聞き取れることを確かめながら話をする。板書は丁寧に、分かり易い字、式や図を書くことを心がけ、書く位置などが乱雑にならないように注意する。また、書いた字などをすぐに消すのも、学生には嫌がられる。
  4. 授業では、教員が一方的に話すという雰囲気を避け、学生に対する質問などを適宜挟みながら、対話的に話を進める。これは勿論、学生の理解度などを確かめるのにも役立つ。
  5. スライド、OHP、PPTなどの教材を適宜利用するのは有効であるが、あまり手際よくスマートに話を進めると、その場では分かったつもりになっても、実は深い理解が得られていないこともあるので、要注意。
  6. 毎週、あるいは数週間に一度といったペースで、小テスト(クイズ)を実施して理解度や成績を評価するのを原則とする。これを徹底すれば、期末試験は不要になるだろう。普段の出欠状況を確認するのにも役立つ。
  7. 学生からの質問や授業に対する注文などには、真摯に対応する。授業の仕方について疑問や注文が提起された時、必ずしも授業の仕方を変える必要は無い。ただ、何故こういう仕方で授業するのか、その狙いは何なのか、などについて十分説明し、納得させることは必要である(説明責任)。