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ニュースリリースnews release
【応用化学科・藤井秀司教授】太陽光を当てるだけ、環境にやさしく省エネで簡便_カーボンカプセル作製の新技術_応用化学科 高分子材料化学領域 藤井教授らが開発
2021.04.13
大阪工業大学(学長:益山新樹)工学部応用化学科高分子材料化学領域の藤井秀司教授のグループが、光の照射というシンプルな操作によるカーボンカプセル材料創製法を開発しました。
本件のポイント
● カプセルの外側も内側も使え、比表面積が大きいカーボンカプセルは注目の機能性材料
● コアシェル粒子に太陽光などを照射するだけのカーボンカプセル新合成法を開発
● 従来の加熱炉や化学薬品を使う合成法より環境に優しくコストも大幅に削減
内容
カーボン材料は、優れた電気特性、機械特性を有することから、半導体デバイス材料、フィラー材料等として利用されており、電子機器、自動車など、我が国の基幹産業を支えています。その中でもカプセル形状のカーボン材料は、比表面積が大きく表面機能の増幅が可能であるため、触媒の土台などの機能性材料として注目を集めています。これまでのカーボンカプセル合成法は、多数のステップが必要であるため作業が煩雑であり、加熱炉や刺激の強い化学薬品を必要とするため、大量のエネルギーが使用され、環境への負荷が高いことが問題視されていました。本研究では、熱分解性粒子(コア)の表面にカーボン材料前駆体である共役系高分子(シェル)を被覆したコアシェル粒子を合成し、これに光(太陽光・近赤外光)を照射することで共役系高分子の発熱・炭化、およびコア部の熱分解除去を同時に引き起こし、カーボンカプセルの合成に成功しました。本手法により、加熱炉や刺激の強い化学薬品が不要な、非接触、局所的なカプセル創出が実現し、意匠性の高い電子材料への導電性カーボン材料の配置・配線技術の確立が期待されます。
この成果は、科学技術振興機構の社会還元加速プログラム大学推進型の支援を受けて得られたもので、このほど米国化学会の学術雑誌Langmuirに論文が掲載(2021年4月8日付)され注目を集めています。
URL: https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acs.langmuir.1c00286
内容に関するお問い合わせ
大阪工業大学 工学部応用化学科 教授 藤井秀司
TEL: 06-6954-4274 (不在の場合は広報室へ)
本件発信部署・取材のお申し込み先
学校法人常翔学園 広報室(担当:大野、田中)
TEL:06-6954-4026
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