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【機械工学科】中空シリカの窓建材 CO2削減効果を解明_3つのスケールで断熱効果 数値解析モデルを構築

2022.02.14

  • Multiscale numerical analysis scheme for residential buildings. Multiscale numerical analysis scheme for residential buildings.

 大阪工業大学(学長:井上晋)機械工学科の上辻靖智教授、松島栄次准教授らの研究グループは、従来のガラス製からポリカーボネート製に変更し、中空ナノシリカを含むコート剤を表面に塗布することで断熱性能を向上させ、二酸化炭素の排出量を減少させる新しい住宅窓建材を開発。材料(ミクロ)、建材(メゾ)、住宅(マクロ)の3つのスケールでの断熱効果を統合し数値化する解析モデルを構築しました。これによって新規断熱材料のCO₂削減量の定量化が可能になりました。
 
本件のポイント


● 中空ナノシリカをポリカーボネート窓にコーティングした新窓建材を開発
● 中空ナノシリカ、窓、住宅の各レベルの熱流体現象を統合した数値解析モデル構築
● 新窓建材を使った実際の住宅での断熱効果とCO₂削減量を数値化することに成功
 
内容

 無数の空隙のある中空ナノシリカをコーティングしたポリカーボネート窓は、高断熱で透明性も確保できコストパフォーマンスも優れた新窓建材です。上辻教授らは、この新建材を対象に独自のマルチスケール数値解析モデルを構築。中空ナノシリカのミクロ構造、窓のメゾ積層構造、住宅のマクロ構造という3つのスケールを統合した熱流体現象の解析モデルです。材料実験や実際の住宅を使った実証実験でその妥当性を確認。中空ナノシリカの含有量や窓のコーティング層の厚さ、住宅の窓のサイズや位置などの違いの影響も解明しました。
 日本の標準的な一戸建て住宅の窓に新建材を使った場合、この解析モデルによれば冬季3カ月間で1戸当たり135グラムのCO₂削減量となり、大阪府全体なら213トン、日本全体なら3559トンになることが分かりました。
 本研究は、「平成31年度環境省 CO₂排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」にて推進され、エルゼビアが発行する科学誌「Renewable and Sustainable Energy Reviews」のオンライン版に掲載(2021年10月5日)されました。
URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1364032121009928

      
本件に関する問い合わせ先


(内容にかんすること)
大阪工業大学 工学部機械工学科 教授 上辻靖智
TEL: 06-6954-4259(不在の場合は広報室へ)
 
(中空シリカに関すること)
名古屋工業大学 先進セラミックス研究センター 教授 藤正督
Mail: fuji@nitech.ac.jp
 
(環境性能評価、エコマテリアルに関すること)
愛媛大学 社会連携推進機構 紙産業イノベーションセンター
     大学院農学研究科 社会共創学部 准教授 伊藤弘和
TEL: 0896-22-3230
 
(コーティング、窓材に関すること)
株式会社レニアス 総務企画部
TEL: 0848-86-1137 Mail: soumu@renias.co.jp
 
(本件発信部署・取材のお申し込み先)
学校法人常翔学園 広報室(担当:大野、田中)
TEL:06-6167-6208 携帯:090-3038-9887
 
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