在学生の方へ
数理・データサイエンス・AI教育プログラム「OIT MDASH(リテラシー)」
データサイエンスやAI(人工知能)は、現代社会が抱えるさまざまな課題解決に貢献できる有用な研究分野として注目を浴び、理工系諸分野にとどまらず、
小売・飲食・医療・交通・天気予報・金融など、ありとあらゆる分野で利活用されています。
例えば、会員登録者の膨大な行動データを分析・予測し、売り上げ向上が期待できるクーポンの発行にデータサイエンスやAI技術が生かされていることは、広く知れ渡る身近な代表例といえます。
また、昨今ではスポーツの世界においてもデータを活用した戦術分析やトレーニング方法の改善に活用されており、データサイエンスやAIは、もはや社会全体の進化に欠かせない存在となっており、
この知識やスキルを備えた人材の輩出が社会から渇望されています。
我が国では、データ分析の専門家であるデータサイエンティストが数十万人規模で不足していると言われています。内閣府・文部科学省・経済産業省の3府省が連携し、
大学等における数理・データサイエンス・AI教育の取組みを奨励するため「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」が設けられるなど、ますますその重要性が強調されています。
このような社会背景を踏まえ大阪工業大学では、学部教育の正課の課程において、リテラシーレベルの数理・データサイエンス・AI教育プログラム「OIT MDASH(リテラシー)」を2022年度から開設しています。
本教育プログラムは、数理・データサイエンス・AI について学生が関心を持ち、適切に理解し、それらを活用する基礎的な力を育成することを目的しており、本学学生の情報活用能力の向上に貢献するものです。
「OIT MDASH(リテラシー)」は、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」に認定されています。(認定の有効期限:令和10年3月31日まで)
・大阪工業大学の認定申請書はこちらからご確認いただけます。 ・文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定 制度(リテラシーレベル)」の認定状況はこちらからご確認い ただけます。 |
◎ 情報技術の発達により社会や生活が変化していることを概説できる。
◎ AI・データサイエンスによって広範囲の領域で新しい価値が創出されていることを概説できる。
◎ データに対する基本的な分析方法(基本統計量の導出、グラフ作成、誤差を伴う解釈方法)が概説できる。
◎ データの取り扱いに関して誤解せず、また人に誤解を与えないための基礎的な事項を概説できる。
◎ AI・データサイエンスを利用するために欠かせないモラルや倫理を概説できる。
工学部 | プログラムを構成する科目のうち、次の①②いずれも満たすこと。 ①「キャリアデザイン」および「基礎情報処理Ⅱ」を修得すること。 ②以下の科目群のうち、1科目以上を修得すること。 「技術者倫理」「工学倫理」「情報社会と倫理」「環境倫理」「キャリア形成支援」 |
ロボティクス&デザイン工学部 | プログラムを構成する科目のうち、次の3科目を修得すること。 「基礎情報処理」「工学倫理」「確率・統計学」 |
情報科学部 | プログラムを構成する科目のうち、次の3科目を修得すること。 「コンピュータ入門」「情報技術者論」「確率・統計」 |
知的財産学部 | プログラムを構成する科目のうち、次の要件①②いずれも満たすこと。 ①「ICTリテラシー」および「データリテラシー」を修得すること。 ②「情報技術と特許」または「知財情報分析」いずれかを修得すること。 |
●工学部開講科目、●ロボティクス&デザイン工学部開講科目、 ●情報科学部開講科目、●知的財産学部開講科目
※PDFは、しおり(または目次)機能を活用して閲覧してください
分類 | プログラム学修内容 | 数理・データサイエンス・AI教育プログラム | |||
---|---|---|---|---|---|
1年次 | 2年次 | 3年次 | |||
導入 | 社会におけるデータ・AI利活用 | (1)現在進行中の社会変化(第4次産業革命、Society5.0、データ駆動型社会等)に深く寄与しているものであり、 それが自らの生活と密接に結びついていることを学ぶ。 | キャリアデザイン● 基礎情報処理Ⅱ● 基礎情報処理● コンピュータ入門● ICTリテラシー● |
情報技術と特許● | |
(2)「社会で活用されているデータ」や「データの活用領域」は非常に広範囲であって、 日常生活や社会の課題を、解決する有用なツールになり得るものであるとことを学ぶ。 | キャリアデザイン● 基礎情報処理Ⅱ● 基礎情報処理● コンピュータ入門● |
データリテラシー● | |||
(3)さまざまなデータ利活用の現場におけるデータ利活用事例が事例が示され、 さまざまな適用領域(流通、製造、金融、サービス、インフラ、公共、ヘルスケア等) の知見と組み合わせることで価値を創出することを学ぶ。 | キャリアデザイン● 基礎情報処理Ⅱ● 基礎情報処理● コンピュータ入門● ICTリテラシー● |
||||
心得 | データ・AI利活用における留意事項 | (4)活用にあたってのさまざまな留意事項(ELSI、個人情報、データ倫理、AI社会原則等)を考慮し、 情報セキュリティや情報漏洩等データを守るうえでの留意事項を学ぶ。 | 工学倫理● | キャリア形成支援●(A) 工学倫理●(U) データリテラシー● |
技術者倫理●(C) 技術者倫理●(E) 工学倫理●(M) 工学倫理●(K) 情報社会と倫理●(D) 環境倫理●(V) 情報技術者論● |
基礎 | データリテラシー | (5)実データ・実課題(学術データ等を含む)を用いた演習など、社会での実例を題材として、 「データを読む、説明する、扱う」といった基本的な活用法を学ぶ。 | 基礎情報処理Ⅱ● ICTリテラシー● |
確率・統計学● 確率・統計●(ID・IS) データリテラシー● |
確率・統計●(IC・IM・IN) 知財情報分析● |
( )内の表示は開講学科の略号を示す。(C)工学部都市デザイン工学科、(A)工学部建築学科、(M)工学部機械工学科、 (E)工学部電気電子システム工学科 (D)工学部電子情報システム工学科、(K)工学部応用化学科、(V)工学部環境工学科、 (U)工学部生命工学科、(ID)情報科学部データサイエンス学科、(IC)情報科学部情報知能学科、(IS)情報科学部情報システム学科、 (IM)情報科学部情報メディア学科、(IN)情報科学部ネットワークデザイン学科
数理・データサイエンス・AIの理解を深めることができる科目
本教育プログラムの修了要件には含まれませんが、数理・データサイエンス・AIの理解を深めるために、専門科目等で「統計及び数理基礎」「アルゴリズム基礎」 「データ構造とプログラミング基礎」「時系列データ解析」「テキスト解析」「画像解析」「データハンドリング」「データ活用実践」等の内容・要素を含む科目を用意しています。 詳しくは こちら をご覧ください。
本プログラムを履修するために特別な手続きは不要です。毎年度4月に行うWEB履修申請において、対象科目を履修申請してください。
各学部の専門教育と有機的に連関させたデータサイエンス教育で無理のない学修が可能
理系3学部(工学部・ロボティクス&デザイン工学部、情報科学部)では、各学部の専門教育において、従来から「数理・データサイエンス・AI」関連科目の下地が備わっている利点を生かし、
既存の授業科目の学びを通じた教育体制を敷いています。そのため、新たに授業科目を履修する必要がなく、無理なく必要な能力を獲得できます。
加えて、文系学部(知的財産学部)においても、新規科目を開設するものの、当該科目は学部専門教育の一部の科目として開設しているため、理系3学部と同様に、無理なく必要な能力を獲得できます。
また、修了要件には含まれませんが、「数理・データサイエンス・AIの理解を深めることができる科目」も用意されています。当該科目についても、学部専門教育の一部科目であり、
各学部の専門教育に本教育プログラムの学びが内包されている教育体制ならではの特色といえます。
情報科学部データサイエンス学科を中心とするIT専門教員が教材コンテンツを開発
本教育プログラムで提供する共通事項を網羅した教材について、情報科学部のIT専門教員が作成しています。また、実際の授業内容では、所属学部・学科の専門分野に応じた要素も交えられており、 学びの意義を実感できる工夫がされています。
個々の学力に応じた修学指導により本教育プログラムの履修を促進
本学では、全ての学部学生を対象に、自己の成長記録が可視化されたシステム(DSシステム)を用いて、卒業時に獲得できる力(OIT学士力)の獲得状況を確認できる仕組みを構築しています。
DSシステムを用いて、これまでの学びの振り返りや、これから必要なOIT学士力の獲得に向けた科目履修も含めた教員からの助言を行う個々の学力に応じた修学指導体制を確立しています。
この修学指導は、所属学部の特徴に応じて4年間の学びの過程で定期的に実施されますので、今後社会においてますます重要性が増していく数理・データサイエンス・AIに関する知識の獲得に向けて、
モチベーションを維持し続けることができる土台が備わっています。
委員会等 | 役割 |
---|---|
大阪工業大学教学推進委員会(※) 〔同委員長〕 |
・方針・改善策の策定 ・学修成果および達成度の確認、自己点検 〔プログラムの運営責任者〕 |
大阪工業大学 各学部教務委員会 | ・改善策に基づく全学的な教育活動 ・評価結果を踏まえた改善策の検討 |
各学部・学科 | |
自己評価・IR委員会 | 自己点検・評価(外部評価含む) |
※2023年度より「大阪工業大学教務委員会」から「大阪工業大学教学推進委員会」に変更