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日本知財学会の年次学術大会で学生優秀発表賞を受賞

2022.01.11

  • 初めての学会発表で学生優秀発表賞を受賞 初めての学会発表で学生優秀発表賞を受賞
  • オンラインで発表する栫さん オンラインで発表する栫さん

 11月27日と28日にオンラインで開催された日本知財学会第19回年次学術研究発表会で「新型コロナワクチンの特許問題についての考察」を発表した栫隼斗さん(知的財産専攻専門職学位課程1年)が学生優秀発表賞を受賞しました。
 
 「Society5.0の実現に向けた知財マネジメントの役割と新たな挑戦」がテーマの今回の発表会では、約80件の発表が行われました。
 栫さんは、新型コロナウイルスの感染がいまだに治まっていない現状から、コロナワクチンの特許権の一時停止がワクチン供給にどのような影響を与えるかについての考察を発表しました。同ワクチンは国際的に見て、特に途上国での確保に大きな課題があります。ワクチンの開発・製造企業が保有する特許権の一時停止を行った場合と行わなかった場合でのワクチン製造速度に関する比較検証を行いました。仮に特許の一時停止を行ったとしても、途上国にワクチンの製造拠点を整備するには莫大なコストと時間を要する上、技術的な壁もあり、途上国のワクチン確保を解決できる手段ではないと考えた栫さんは、特許の一時停止を行わない方法を支持。ワクチンを開発・製造する企業の増産体制を後押しすることが問題解決につながると論じました。また、ワクチンを共同購入し途上国などに分配する国際的な枠組みであるCOVAX(コバックス)などの調達や供給の在り方に関する問題点を指摘し、「今後起きる可能性のある次の感染症対策には、既存の枠組みでは対応できないのでは」と危機感を示しました。
 
 今回が初めての学会発表だった栫さんは「質疑応答ではうまく答えられないこともありましたが、発表自体は手ごたえを感じる結果で、貴重な経験になりました」と振り返りました。