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地域の「公」と「私」のはざまで新しい建築・都市を構想する

建築学科 
教授 吉田 哲

吉田 哲
2023.12.21
  • Rニュータウン内、T会館計画:2019

    Rニュータウン内、T会館計画:2019

  • 学びの空間『楽』          ライブラリースペース計画:2023

    学びの空間『楽』          ライブラリースペース計画:2023

  • 城東商店街アーケードフェスタ支援・ バルーンバナー&カラフル提灯:2023

    城東商店街アーケードフェスタ支援・ バルーンバナー&カラフル提灯:2023

みなさんこんにちは。建築学科特任教授の吉田です。
ここでは、私が研究室の学生と取り組んでいることを紹介します。

 日本では多くの地域で、人口構成の変化(少子高齢化)・減少により、地域・まちの公共施設が、統合・廃止によりその数を減らしています。例えば、小学校は隣接校や時には中学校と統合して一貫校となり、通学区域は広域化しています。また、学校用途を越え、地域の図書館や集会所などとの複合化も進んでいます。逆に、遠くに出かけられなくなった高齢者は、近場の徒歩圏に「集まれる場所」「行けるところ」をこれまで以上に必要とするようになっています。

 このように、自治体、行政などの「公」立の施設が数を減らす中で、個人や事業所などの民間=「私」の有志が、その個人宅や建物をまち・地域にひらくような事例が増えています。

 私の研究室では、こうした場をひらくに至るまでの検討・ワークショップ、これに基づいた施設・建築の計画や設計、学生や地域の人を巻き込んだDIY、その後の利用のされ方の調査・研究、そして次の改善に至るまでのさまざまな段階で発生するプロジェクトに参加し、取り組んでいます。具体的には、大阪市内の医院兼自宅であった空家へのライブラリー設置や地域サロン化のお手伝い、京都市内の本陣町家でのライブラリー設置とサロン化、いくつかの自治会集会所の計画、公園内施設の計画提案、市有地ため池の地域利用ワークショップ、商店街のイベント支援などに取り組んでいます。

 このほかにも、高齢者の外出支援のため、ベンチを道路沿私有地へ設置する活動(国土交通大臣表彰や京都景観賞ほか受賞)、住民主体による高齢者の日常生活支援団体の研究などを通じて、高齢者の地域継続居住を考える研究や活動も続けています。

 こうしたまちづくりにまつわるあれこれを中心に据えた取組の中で、新しい建築の計画や設計を展望できればと考えています。

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