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人々と協働する情報技術

情報メディア学科 
准教授 福島 拓

福島 拓
2019.10.28
  • 図1:カスタマイズ可能な医療質問の画面例

    図1:カスタマイズ可能な医療質問の画面例

  • 図2:回答候補の自動提示機能の画面例(人体図)

    図2:回答候補の自動提示機能の画面例(人体図)

皆さんは,日々の勉強や整理整頓,運動など,「やりたいけどできないこと」「継続したいけどできないこと」はありませんか?外国の人と会話をしたいけれど,外国語の勉強が大変と感じている人もいるかもしれませんね.また,寝る前のスマートフォンの利用やムダ遣いなど,「止めたいけど止められないこと」はありませんか?

本研究室(コミュニケーションデザイン研究室)では,前で述べたような「人々が困っていること」の解決を目的として,情報技術を活用した研究を行っています.コンピュータは,人間よりも記憶力が良く,高速な処理ができます.また,決まった時間に何かをすることも得意ですし,24時間働くことができます.このような特徴を持つコンピュータを活用して,人々のサポートをする,もしくは協働(協力して働く)することで,人々のQOL*1を高めることを目指しています.

研究の例としては,医療従事者と外国人患者との対話支援システムがあります.言葉が通じない環境では,自動的に全ての文章を翻訳できる機械翻訳がよく活用されていますが,正確でない翻訳となることもあります.これは,正確性が求められる医療分野においては不適切な場合があります.そこで,本システムでは,あらかじめ翻訳者によって正確に翻訳された「用例対訳」と呼ばれる技術を活用して,正確性を担保しています.
また,円滑な対話を実現するために,医療従事者自身が患者に対して質問する項目を自由に作成可能としています(図1).ほかにも,患者からの回答を正確に得るために,患者の回答候補群を質問文から自動的に予測する機能を用意しています(図2).図2のように,回答候補は言葉だけではなく絵や尺度も活用しています.このように,何万もの多言語の文章を覚え,24時間働くことができるコンピュータを活用して,医療従事者や患者が実現したいことの支援を行っています.

ほかにも,コミュニケーションデザイン研究室では,以下のような研究を行っています.
・宝探し要素を用いた散策支援
・一人でもできる避難訓練支援
・写真比較を用いた整理整頓支援
・スマートフォンを用いたインターネット依存改善支援
・定期的な運動支援
・道に迷う人の支援
研究室のWebサイトにも情報がありますので,興味のある方はぜひご覧ください.

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*1:人生の内容の質や生活の質のこと.