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知的財産学部

知的財産学科 知的財産に係わる民事紛争の解決手続に関する研究


ゼミの風景です。
 民事手続法全般を専門としています。知的財産に関しては、侵害訴訟、契約訴訟を中心に、知的財産関連の民事紛争の解決手続に関する研究を行っております。近年は特に、ヨーロッパとの比較法研究が中心で、ヨーロッパ統一特許裁判所に関する研究、ブリュッセル条約体制下でのヨーロッパでの国際知的財産訴訟の管轄に関する研究が主です。
 3、4年次ゼミでは、民法、民事訴訟法の基礎から始め、各学生が選んだ研究テーマでの卒業論文執筆を目標としています。知的財産に関する英書講読も行い、学生研究の質の向上を目指しています。


ゼミの風景です。

主な研究テーマ

  • 知的財産侵害訴訟に関する日米欧の比較法研究
  • 欧州統一特許裁判所に関する研究
  • 欧州におけるクロスボーダー知的財産権侵害訴訟に関する研究

指導教員

水野 五郎 教授 (ミズノ ゴロウ)

専門分野

  • 民事訴訟法

教員メッセージ

 知的財産は、法律によって保護される権利・利益ですので、知的財産を学ぶ基礎として、法律学は避けて通ることができません。私の研究分野は民事訴訟法ですが、学生には民法と民事訴訟法を教えています。
 私は学生のときに、「学問には作法がある」と教わりました。法律の条文、判例、論文の調べ方、読み方、レポートの書き方など、基礎から手順を踏んで学習を進めることはとても大事なことです。ゼミの学生には、主体性を大事にしてもらい、自分の目標と学習内容は自分で決めてもらっています。ただ自由奔放ではなく、学習方法は、法律学の作法に従って、基礎から折り目正しく学んでいただくことを心掛けています。

在学生メッセージ

 水野ゼミの特徴は私達ゼミ生が主体となってゼミを行っていることです。ゼミで議論するテーマや次回のゼミまでにやっておく課題等は学生同士で議論して決定しています。先生は議論が止まったときの助言や学生の研究テーマに合った裁判・訴訟の例を提供してくれますが基本的にゼミの運営を学生にまかせています。そのため、水野ゼミは他のゼミに比べてかなり厳しいゼミだと思われています。しかし、その分社会に出たときに必要になる自ら主体的に行動できる行動力や、自分の考えを正確に相手に伝える表現力などを身につけることができます。社会で通用する力を身につけたいと思っている学生にはうってつけのゼミであると私は考えています。
(水野ゼミ4回生 鈴木祥太)

この研究がかなえる未来

  知的財産は権利や法律上の利益ですから、法的紛争が発生することは避けられません。発生した紛争をどのように解決するのかを考えることは、とても大事なことです。日本で知的財産に関する訴訟は年間200件程度です(知的財産に関する契約紛争を含めると約500件)。日本の民事訴訟は年間約10万件と比べると、ごく少数です。しかし一つの事件の判決が社会や産業界に与える影響の大きさ、事件の複雑さ、訴額の高額さを考えると、他の民事訴訟に比べて、とても重要性が高いと言えます。知的財産訴訟の重要性から、日本には、知的財産高等裁判所という専門裁判所もあります。外国の訴訟制度と比較しながら、日本のあるべき知的財産紛争解決制度の在り方を検討することは、今後の我が国の社会、産業、経済にとって大きな課題です。

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