建築学科
環境第2研究室
逆解析を用いた延岡駅舎周辺樹木の最適配置
私たちの研究室では、都市・建築に関する『環境』について日夜、取り組んでいます。どう工夫したら省エネルギーを実現しながら快適な生活ができるのか?建物の美しさを考えるだけでは、その答えに辿りつくことはできません。環境建築の実現には物理現象の理解こそが必要です。これは簡単なことではありません。なざならば、建築は量産品とは異なり、敷地条件や気象条件を考量して個々に異なる仕様で建てられるからです。
研究室のメンバーはシミュレーション手法を用いて建物内外の熱・空気・光・音環境がどのような性状となるかを検証したり、実験室で建物の部材性能を調査することで、快適性と省エネの実現に向けて取り組んでいます。
逆解析を用いた延岡駅舎周辺樹木の最適配置
主な研究テーマ
- CFD解析時における建物周辺地形・周辺街区の再現手法
- 人工太陽装置を用いた開口部の入射角特性に関する測定方法の確立
- 環境工学分野における随伴変数法の適用に関する研究
- 密集市街地におけるシミュレーション連動型設計手法の提案
- Simulation-drivenに基づく建物形状最適化に関する研究
指導教員
河野 良坪
准教授
(コウノ リョウヘイ)
専門分野
- 最適化設計
- 空気環境
- 熱環境
- 光環境
- CFDシミュレーション
教員メッセージ
河野研究室では、建築家の方々と協力して実設計へのシミュレーション技術の適用を試みたり、設計の研究室や企業の方々との合同ゼミの中で議論したり、都市計画の研究室との共同研究を通して環境性能を担保した街区設計の在り方について検討したりと、幅広く連携することを重要視しています。皆で力を合わせて、5年、10年先の近未来における新しい設計プロセスの開拓を希望に、一歩ずつ前進する所存です。
在学生メッセージ
河野研究室では、人工太陽装置を用いた実験や風・温度のシミュレーションの研究を主に行っています。時期によっては遅くまで残って作業することもありますが、河野研究室恒例の食事会やラーメン会等で適度に息抜きしながら研究に励んでいます。物理好きやシミュレーション等に興味がある人はもちろんのこと、ラーメン好きな方も是非河野研究室に!!!
この研究がかなえる未来
VAM(随伴変数法)は、現状の設計案を進化させて、より良好な設計を可能とする「局所最適解」を探る手法であり、解析にかかる時間は比較的短いです。非常に優れた技術ですが、これまで建築業界における応用方法はほとんど見られませんでした。具体的な技術の適用方法を確立し、分かり易く世に示すことで、近未来の都市・建築産業における新技術にしようと、研究室メンバーが一丸となり、日夜研究に励んでおります。現在、設計に普及しつつあるシミュレーションの更に先を行く手法であり、従来の意匠・構造面ではなく、環境面からシミュレーションが建物を決定する新時代の設計手法になると考えています。
『シミュレーション・ドリブン』
この言葉を、次世代の設計手法としてさせたいと思います。