都市デザイン工学科
橋梁工学研究室
合成桁の加熱実験状況
わが国では、コスト縮減、耐久性向上、つまり、安くて強い橋梁が求められています。そこで、その要望に応えるために、引張に強い鋼と圧縮に強いコンクリートを一体化した複合橋梁の構造提案、合理的な設計・施工法を構築するために、実験と解析の両面から取り組んでいます.
また、近年、タンクローリー車の横転などによって火災が発生し、橋梁が大きなダメージを受ける事例が増えています.その際、車や列車が消火後すぐに通行(運行)して良いかどうかを適切かつ早急に判断する必要があります。そこで、火災を受けた時の橋梁の温度分布や耐荷力などを把握するために解析や加熱実験を行い、“火災診断マニュアル”の作成や火災の熱から橋梁を守る耐火パネルの開発も行っています。
合成桁の加熱実験状況
主な研究テーマ
- 火災による熱履歴を受けた合成桁橋の安全性評価
- 合成床版を有する合成桁橋の経時挙動に関する研究
- 高強度軽量プレキャストPC床版を用いた合成桁橋におけるスタッドのせん断耐力
- 二重合成桁橋の実用化に関する研究
教員メッセージ
都市デザイン(土木)工学は、みなさんが生活するために必要な構造物(社会基盤構造物と言います)の計画、設計、施工ならびに維持管理に携わる学問です。この構造物が安全で安心なものでないと、みなさんが生活を送ることができません(携帯電話やスマホを持っていても、何ら役には立ちません!)。よくニュースなので、「高速道路などは、すでに整備されているので不要です」などを耳にしますが、まだまだ整備を必要とする箇所が多くあるとともに,今ある構造物をこれからも利用するための更新も必要になります。全国民が安全・安心な暮らしができ、喜んで頂けるために必要なこの分野で、将来、社会貢献に努めてみませんか?
在学生メッセージ
私は、高校時代から橋梁模型を製作しコンテストに出場していました。その当時から橋が好きで、特に明石海峡大橋が好きです。この橋好きが高じて橋梁工学研究室を選びました。
当研究室では、近年注目を浴びている鋼とコンクリートの複合(ハイブリッド)構造に関する最先端の研究を、解析と実験の両面で行っています。八幡工学実験場では、実橋サイズの試験体を用いて、実験を行うことができます。模型ではなく実橋サイズで実験が行える、つまり、本当の挙動を知ることができるのは、この研究室の魅力と思います。
橋が好きな人や興味がある皆さん、橋に関する研究を行ってみませんか?
この研究がかなえる未来
橋は、耐久性や公共性という性格上、長く地図に残るものです。そんなロマンのある雰囲気と、社会基盤をかたちづくる従来の土木工学の知識・技術を結集した構造物である“橋”は、山や川が多い日本にとって必要不可欠です。本研究室では、丈夫な橋にするにはどのような工夫が必要なのか?巨大地震に襲われても橋が壊れないようにするためにはどのようにすれば良いのか?一方、すでにある橋は、どのようにすれば長持ちするのかなどなどを色々な角度から研究しています.これは、みなさんが、毎日利用する橋を安心して渡ることができるために必要な重要なテーマです。