情報システム学科
Team Software Development研究室
あらゆるものがソフトウェアで制御されるようになりつつある昨今において,複数の開発者がチームを組んで迅速にソフトウェアを開発することが求められています.チームでのソフトウェア開発では,開発者間の良質なコミュニケーションや様々な技術の適切な利用,複雑な開発ルールの順守が求められます.本研究室では,チームでソフトウェアを開発するために実際に利用されているバージョン管理システムやソフトウェアのビルドシステム,自動テスト環境といった様々な技術の効率のよい習得方法や,チーム開発における各開発者のアクティビティを計測・可視化し,評価する仕組み等について教育・研究両方の観点で取り組んでいます.
主な研究テーマ
- アジャイルソフトウェア開発教育のためのチケットシステムを用いたプロジェクト定量的評価手法
- チーム内の役割分担を考慮したソフトウェア開発PBLの評価基準及び状況把握支援
- タスクボードとオンラインストレージを用いたソフトウェア開発PBLのためのタスク記録支援環境
- Pull Requestにもとづくチームソフトウェア開発のためのバージョン管理システム利用支援
- プログラミング演習における進捗状況把握のためのコーディング過程可視化システム
指導教員
井垣 宏
教授
(イガキ ヒロシ)
専門分野
- ソフトウェア工学教育
- Project-based Learning
- 開発者行動解析
- チームソフトウェア開発教育
研究室がめざすSDGs
教員メッセージ
良いソフトウェア開発者になるために学ぶべきことはプログラミングだけではありません.チームでのソフトウェア開発が当たり前になりつつある昨今においては,プロジェクトチームのメンバーとどのようにコミュニケーションを取るか,他のメンバーが何をしているかをどのようにして知り,締め切りまでに作業を終わらせるためにどう振る舞えば良いかといった,チームでのソフトウェア開発手法を学ぶことのほうがもっと重要です.本研究室ではこのようなチームでのソフトウェア開発手法を楽しく学ぶための方法や開発者一人ひとりの振る舞いを観測し,評価するための教育・研究手法についてチームで取り組んでいます.
在学生メッセージ
この研究室では,社会にでると当たり前のように日々行われるチームでの活動について,様々なことを勉強できます.例えば,他の人と一緒にソフトウェアを開発する方法や付箋を使ったタスク管理の方法,効率よくミーティングを進める方法などを実際にチームでの開発を行いながら日々研究しています.チームでのソフトウェア開発に興味がある人は是非来てください.
この研究がかなえる未来
実社会におけるチームでのソフトウェア開発は非常に困難であることが知られています.実際にある調査ではソフトウェア開発プロジェクトの成功率は30%ほどという結果も出ています.この研究室では,そのような現状の改善を目指し,どんなソフトウェアを作るか,だけではなく,良いソフトウェアをどのようにして作るかに着目し,チームの生産性の向上やメンバー間教育を支援する枠組みの構築を目指しています.