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「第36回 知能ロボットコンテスト2024」マスターズコース連覇の快挙

2024.06.28

  • 出場した学生ら 出場した学生ら
  • ピラミッド状に積まれたボールを両腕で把持しようとする本学のロボット ピラミッド状に積まれたボールを両腕で把持しようとする本学のロボット
  • スピーカーからロボットの状態を発話中 スピーカーからロボットの状態を発話中

 6月15日、16日にスリーエム仙台市科学館(仙台市青葉区)で開催された「第36回 知能ロボットコンテスト2024」にロボット工学科生活支援ロボットシステム研究室(指導教員:廣井富 教授)チーム「O.I.T. Shine エン・シン」が出場し、2年連続で優勝を果たしました。
 本コンテストは、出場者がロボット・メカトロニクス技術に関する基礎ならびに先端技術を習得するきっかけを作り、技術的な交流を図り、さらに新たな知見を得るための機会を確保することで、教育的効果と基礎的な研究開発能力の向上を目的に開催されています。今年は全国から60チームが出場しました。チャレンジコースと難易度の高いマスターズコースの2種目があり、いずれもスタート時を除いて人為的操作を一切加えずにロボットが自律行動を行い、ルールで定められた作業を所定の時間内に行うことで獲得した得点を競います。
 
 本学チームが出場したマスターズコースは、赤・青のボール、テニスボール、空缶、水入りのペットボトルが競技台上に配置され、それぞれ定められたゴールやエリアに運ぶことで得点を得ることができます。本学チームは、テニスボール、赤ボール、青ボール、缶をそれぞれ一つずつゴールに入れ、制限時間内にスタートエリアに戻ることで獲得できるリターンボーナスを狙う作戦を立てました。一次予選、二次予選はボール3つを掴み、スタートエリアに戻ることに成功。リターンボーナスを達成し、予定どおりに競技を進め、危なげなく、得点を獲得。二次予選を1位で通過し、決勝戦に進出しました。
 
 二次予選、決勝戦からは、競技結果による得点の他、技術性と芸術性の観点で複数の審査員による評価も加わります。本学チームのロボットは3本のアーム、RGB(色)D(深度)カメラ、2つのToF距離センサを搭載しており、これらを超小型PC上でROS (Robot Operating System)が制御する仕組みを構築しています。また、ロボットが現在どのような作業をしているのか、どのような状態なのかなどを関西弁で発話するユニークなシステムも搭載しています。更に、今年は、ロボット前方の2本のアーム、ハンドの形状、機構を工夫し、左右から挟むことでピラミッド状に積まれたボールを一回の動作ですべて掴み、そのまま運ぶことを可能にしました。
 これらの機能をフルに発揮し、決勝戦に出場。予選までと違い、より多くのボールと空き缶、より検出および運ぶことの難易度が高いペットボトルを正確に所定の場所へ運び、高い競技点を獲得しました。1次予選から決勝まで一度もリトライすることなく正確にロボットは動作しました。更なる高得点を狙い、ピラミッド状に積まれたボールを新開発したアームで掴むことを目指しました。練習では、すべてのボールを掴むことができていましたが,決勝では惜しくもボールをすべて掴むことができませんでした。しかし、目標としていた課題はすべてクリアし、競技点58点を獲得。審査員からは「高い技術をコンパクトに収めてすばらしい」とコメントを頂き、審査点は14.5点と評価され、合計72.5点で、見事2年連続で優勝を果たしました。
 チームリーダーの山添睦貴さん(ロボット工学科4年)は「今までは、ロボットの後ろ側にある3つ目のアームでの把持成功率が低かったのですが、プログラムを細かく調整することで、うまく掴むことができ、手ごたえを感じるコンテストになりました」と笑みをこぼしました
 「O.I.T. Shine エン・シン」は、8月4日に梅田キャンパスで開催するオープンキャンパスのオープンラボでデモンストレーションを行う予定です。