認知言語学って?
世界中にはいろいろな言語があり、それぞれの言語にそれぞれ個性があります。でも翻訳が可能なことからもわかるように、違いはあっても基本的なところで「なるほど」と共感できる部分があるわけです。私の専門分野は認知言語学ですが、どの言語にも共通する人間の思考の枠組み(スキーマ)を探求する分野といってもいいかもしれません。
前置詞の研究と応用
共感できるものとして代表的なのが、「内と外」や「上と下」など、人間の身体性を基盤とした物の位置関係を表すことば、すなわち「前置詞」です。認知言語学では前置詞の分析に図(スキーマ図)を活用し、長年活発な議論がなされてきました。前置詞といえば、英語を学ぶ上ではつまずきやすい厄介なテーマですが、私と仲間のグループは、スキーマ図をアニメーションにすることで中学生にも分かりやすいオンライン教材『アニメで学ぶ英語前置詞ネットワーク辞典』(https://www.zennet-e.net/)を開発しました。なるべく専門用語を使わずに認知言語学のエッセンスを維持しようと、色使いに意味を持たせるなど、意味と意味との類似性・関連性を体感できる工夫を施したつもりです。
TOEIC®の問題にも気づきがある
授業では主にTOEIC®の英語を指導していますが、資格試験の英語だからといって、面白味がないとか、生き生きしていないということはありません。英語のビジネスメールの定型的な言い回しにも、英語独特の「思考の枠組み」があります。日本語のそれとは違いますが、相手への心づかいはきちんと組み入れられています。英語的な「思考の枠組み」を理解することで、日本語的思考の枠組みとの共通点と相違点も浮かび上がります。英語を勉強することで、皆さんの母語への理解がより深まることを願っています。



