機器と以心伝心?
私たちが機器を操作する際、通常は「ボタンを押す」「つまみを回す」など、あらかじめ機器の動作に対応して決められた手順を人が覚えて行う必要があります。そこで、私たちの研究室では、ヒューマンセンシング(人を計測)することで、操作者の状態や意図を判断し、操作方法を覚えて行わずとも機器が動作する、つまり、人と機器との以心伝心の実現を目指した研究をしています。例えば、筋が活動する際に発生する微弱な電気信号(筋電位)をセンシングした結果に基づき動く機器を開発しています。
具体的には、どんなものを開発してるの?
例えば、筋力が低下した人がこれまで通りの生活ができるように、足の筋電位から立ち上がる意図を読み取り、自動で座面を持ち上げる起立支援装置や、手の筋電位から握る意図を読み取り、握力を補助するアシストグローブなどを開発しています。 また、スマートグラスの操作にヒューマンセンシング技術を活用したシステムも開発しています。このシステムでは、グラスのタップやリモコンといった操作をすることなく、腕の動きや筋活動をセンシングして作業の完了を判断し、自動で作業指示を切り替えます。これにより、作業指示画面の切替操作でわざわざ作業を一時停止する必要がなくなり、作業の効率化(時間短縮)が可能となります。