温暖化が進むと気温が上昇してやがて地球に住めなくなる??
皆さんは千葉県勝浦市というところをご存じでしょうか。勝浦は記録が残る明治39年(1906)以降、一度も35℃を超える「猛暑日」がなく30℃を超える「真夏日」もわずか数日で、東京都心と比べて夏は3℃から5℃も涼しいそうです(ちば観光ナビHP)。都心から近いため、新たな「避暑地」としてしばしばマスコミに取り上げられています。
実は千葉県勝浦市と大阪市の空気のもつ熱量は同じくらいかも!
近年、大都市の気温は大きく上昇しています。気象庁によると1929年~1958年の平均値と比較して、2025年時点で年平均気温は大阪で+3.0℃、東京で+3.9℃上昇しています。一般に“温暖化”や“ヒートアイランド現象”の話題では、気温に焦点が当てられます。図1は2025年7月28日の各地の最高気温を横軸にとり、縦軸にはその時の「空気の持つ熱量」をプロットしたものです。図の横軸を見るとこの日の最高気温は、大阪36.3℃に対して勝浦28.3℃と8℃の差がありました。しかし、大気(空気)が持っていた熱量(縦軸)を見ると、両者はほぼ同じであったことが読み取れます。
熱にも表に現れる熱と裏に潜む熱がある?
図2は各地の大気が持っていた“顕熱(けんねつ)”と“潜熱(せんねつ)”の量を示したものです。簡単に説明すると“顕熱”とは、水蒸気を除いた空気(乾き空気と言います)が持つ熱量です。一方、“潜熱”は水が大気中に水蒸気として存在するために使われた熱量を指します。注射をする前にアルコールで針を刺す部分を消毒しますが、ひんやりして嫌な気持ちになりますね。これは液相のアルコールが蒸発して気相になるには、分子間力に打ち勝つエネルギー(熱)を必要とし、それが皮膚周辺から奪われたためです。
地球環境と水
大気が持つ熱量(顕熱+潜熱)が同じなら、一般的に顕熱が多い空気は気温が高く乾燥した空気、一方、潜熱の多い空気は気温がそれほど高くない湿った空気になります。環境工学科の学びには“水”に関連するものが多いですが、地球の気候システムにとって水は水資源としてのみならず、熱を輸送する媒体としても重要な役割を果たしています。
生物圏気象環境学研究室では、温暖化やヒートアイランド現象に起因して、災害を起こすような激しい降水現象がどこでどの程度増加しているか‥といった研究にも取り組んでいます。



