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ロボティクス&デザイン工学部

ロボット工学科 医療ロボティクス研究室


ローカル操作型手術支援マニピュレータ(LODEM)
創口が小さく整容性の高い、患者に優しい内視鏡外科手術が普及していますが、執刀医にとっては高度な技術が要求される難易度の高い手術です。本研究室では、安全性に優れるロボット支援手術の実現を目指して、患者さんのそばで医師と共存協調して作業を行えるローカル操作型のロボット技術を研究しています。センシング能力に優れる人(執刀医)が、安定した作業に優れる小型な手術ロボットと協同するソロサージェリーにより、誰もが最新の医療を受けられるようになります。


ローカル操作型手術支援マニピュレータ(LODEM)

主な研究テーマ

  • 小型の術具マニピュレータ
  • ローカル操作型インタフェース(オープンループ,マスタスレーブ)
  • 内視鏡映像下での臓器形状や術具の画像認識に基づく半自動制御
  • 臓器硬さセンシング

指導教員

河合 俊和 教授 (カワイ トシカズ)

専門分野

  • メカトロニクス
  • 人間機械システム
  • 医療ロボティクス

研究室がめざすSDGs

  • すべての人に健康と福祉を
  • 産業と技術革新の基盤を作ろう
  • 人や国の不平等をなくそう
  • 住み続けられるまちづくりを

教員メッセージ

普及している米国製の手術ロボットは、元は軍事技術で、戦場の負傷兵を対象に、本国にいる医師が一人で複数のアームをリモート操作して手術するという発想でした。しかし、患者と医師は同じ手術室におり,また,患者の容体を把握するには医師が直接に手術するのが適していますから、ローカル操作のアームが理にかなっています。作業空間を共有して人と共存できるマニピュレータ、人の五体動作の非拘束センシング、マニピュレータと協調してローカル操作できるインタフェース、電気的なセンサを用いず対象物の硬さを計測する手法、など、どんどんチャレンジし、失敗しながら学びましょう。

在学生メッセージ

ものづくり分野から社会に貢献したいと考えており、医療ロボットは最もやりがいのある研究テーマです。ローカル操作型手術支援マニピュレータは、多くの可能性を秘めており、機構や制御を考えることで、その動作をより速く正確にできます。この研究が発展すれば、多くの人たちが先進の手術を安心して受けられるだけでなく、途上国など設備が整っていない環境での手術も可能になります。自分の作ったロボットまたはその技術が、いつか誰かの命を救えることを信じて、大きな使命感を持って研究を続けています。

この研究がかなえる未来

ローカル操作型手術支援ロボットの実現により、医師一人で安全な微細手術ができれば、小都市や離島山間など医療スタッフが十分に揃わない地域の患者でも、都市の病院と同じ最新の手術を受けられます。地元の病院で手術や術後の通院ができれば、がんの再発など早期発見ができ、患者に付き添う家族の負担も軽減されます。また、災害時には短期間で多くの緊急手術が、途上国では医師が少なくても多くの最新手術ができると期待しています。

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