生命工学科
生物プロセス工学研究室
日本随一の教育・試作用バイオリアクター群を活用した実践的教育と研究開発を推進!(詳細はHPに!)
本研究室では、微生物を用いた物質生産から再生医療に資する細胞・組織製造に至るまで、生物が関わる反応や機能を活用する“バイオものづくりプロセス”を研究対象とします。バイオ反応の特性を理解し、その生産プロセスを速度論や物質収支の観点で工学的に設計・構築・効率化できる“生物プロセスエンジニア”が食品、化学、製薬、再生医療産業の研究開発・製造現場で求められています。個々の細胞・組織・生体に存在する複雑な生物反応を計測・定量し、目的現象を司る主たるパラメーターを理解・同定、そのパラメーターの制御によって現象を自在に操る、この一連を実現するために必要なあらゆる道具・技術が私たちの研究対象です。
日本随一の教育・試作用バイオリアクター群を活用した実践的教育と研究開発を推進!(詳細はHPに!)
主な研究テーマ
- 有用物質生産を担う微生物・動物細胞の高効率培養プロセスの開発
- 生体内環境を模倣したin vitro培養技術と、これを活用したin vivo様機能アッセイ法
- 複雑組織の設計・製造を可能にするための組織内細胞挙動理解・制御技術の開発
指導教員
長森 英二
准教授
(ナガモリ エイジ)
専門分野
- 生物プロセス工学
- 細胞培養工学
- 生物化学工学
- 生体模倣培養
- 機能的細胞アッセイ
教員メッセージ
“21世紀はバイオの世紀”と言われ、持続可能型社会(エネルギー問題の解決)や、より高度な医療、創薬(健康維持、高騰する医療費の解決)を、バイオの力で成し遂げようとする試みが活発化しています。生物はその複雑さから何かあやふやとしたものと思われがちですが、酒づくりや発酵食品製造の先人たちが示してきたように、目的とする生物現象を表現可能なパラメーターを適切に設定すれば、思い通りに操ることができる場合もあります。工学的な視点で生物現象を理解し操作する、このような研究に興味を持ち、工学的実践に導くトレーニングを受けた人材は、バイオ業界に限らず幅広い業種において適応力が高いことでしょう。
在学生メッセージ
学部や大学院の専門教育では、化学工学の方法論と考え方を生物に応用し利用する生物化学工学という学問体系とその実践方法について講義します。バイオ反応の特性を理解し、その生産プロセスを速度論や物質収支の観点で工学的に設計・構築・効率化できる“バイオプロセスエンジニア”が食品、化学、製薬、再生医療産業の研究・製造現場で求められています。医学、理学、農学ではなく工学者としてバイオ研究に取り組む意義を理解し、実践を主体とした工学的センス、論理思考力、オーガナイズする力を有し、社会で活躍・自己実現できる人材の育成を目指します。
この研究がかなえる未来
バイオ技術を核としたスマートで無駄がない社会の実現を思い描いています。太古の昔から地球環境と共存してきたバイオの力を各方面で産業応用する事により、産業革命以来続いている化石資源浪費型社会から持続可能型(物質循環型)社会への転換が期待されます。再生医療を含むより高度な医療技術やスマートな健康維持・増進技術が広く万人に行き渡るようになるでしょう。生命現象のメカニズムを全て理解する事に全力を注ぐのではなく、ある程度は生物現象をブラックボックスとして許容し、操作・制御の実践を優先するという考え方が、生物プロセスを活用したスマートな未来の実現に改めて重要となりつつあるように感じています。