言いたいことを言えていますか?
友達とのおしゃべり、家族との生活の中で、あるいは仕事上のやり取りなど、私たちは日常的に色々な会話をしていますが、みなさんは自分 の言いたいことをきちんと言えていますか?何気なく話しているふりをしながら、頭の中では「相手の話を遮ったら悪いな…」「こんなことを 言ったら嫌われるだろうか…」などと様々な思考を巡らして、気が付いたら相手に同調しているだけで話が終わってしまった、ということはないでしょうか?
もちろん、相手と良好な関係を築くために気を配ることは大事なことです。ただ、必要な時に自分の考えや気持ちを伝えられないでいると、相手に誤解されてしまったり、自分にとって不都合な状況が生まれてしまったり、フラストレーションを抱えてしまったりすることがあります。
ここで紹介したいのが「アサーション」という概念です。「アサーション」とは自他の権利を侵さない限り、自己表現をしてもよいという意味で、誰もが生まれながらにしてもっている権利とされています(平木,2007)。日頃、「相手の気分を害してはいけない」「場の空気を壊してはいけない」といった他者優先の思考になりがちな人は、自分も自己表現の権利をもっているという前提に立ち返ってみましょう。相手の話を聞 くだけでなく、自分の考えや気持ちを伝えてみると、相手もハッと気づくことがあったり、新しい展開が生まれたりするかもしれません。自分も 相手も大切にする「アサーティブ」な会話についてもっと知りたい人は、ぜひ書籍等で調べてみてください。
平木典子著(2021)「三訂版 アサーション・トレーニング —さわやかな〈自己表現〉のために—」 日本・精神技術研究所



