空間デザイン学科がドイツの大学と「未来へつなぐ現代の茶室」をテーマに国際PBLを実施 —異文化理解と持続可能な空間デザインの融合をめざして—
大阪工業大学(OIT)ロボティクス&デザイン工学部 空間デザイン学科は、2025年5月29日から6月3日にかけて、協定校であるドイツ・HAWK応用科学芸術大学(HAWK大学)と共同で、国際PBL(Project Based Learning)プログラムを実施しました。本学がヨーロッパの大学と国際PBLを実施するのはこれが初めてです。両大学の教員と学生が困難を乗り越えながら協働し、日本文化の精髄である茶室をテーマに、異文化交流とデザイン教育を融合させた画期的なプロジェクトとなりました。
本プログラムは、次年度のドイツ開催を見据えた交換型国際PBLの初年度として位置づけられ、日本側での開催となりました。参加者は、HAWK大学から学生16名・教員3名、OITから学生20名・教員7名。国際交流センターの協力のもと、2025年1月から事前学習やオンラインでの意見交換を重ねながら、テーマ「未来へつなぐ現代の茶室」の実現に取り組みました。
ワークショップ初日となる5月29日には、奈良県大和郡山市の慈光院にて、日本の伝統的な茶室空間を見学。茶道や禅に込められた哲学への理解を深めたうえで、翌日からOIT梅田キャンパスでの制作が始まりました。
学生たちは3チームに分かれ、それぞれ独自の解釈と工夫を凝らして現代の茶室を創作しました。和紙を使った透明感のある壁で都市との調和を表現したチーム、障子の構成から着想を得て「境界」の概念を空間化したチーム、さらに参加者の言葉を紐に挟みこむインタラクティブな提案を行ったチームなど、多様なアプローチが光りました。いずれも、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくり」を意識し、持続可能性と美的価値の両立を目指した作品です。
6月1日には、梅田キャンパス1階ギャラリーにおいて高精細の新型サイネージ9枚を使用し、水と緑豊かな奈良県川上村の自然を表示しました。これを背景として設え、OIT茶道部の協力のもと、完成した茶室で茶会を実施。日独の学生が一堂に会し、「一期一会」の精神を体感する貴重な時間を共有しました。3つの茶室と解説パネルは、茶会当日から約3週間ギャラリーで展示され、地域の方々にもこの企画を見ていただきました。
最終日6月3日には、大阪・関西万博を訪問し、木造パビリオンなど先進的な建築空間を体験。空間と文化の相関についてのディスカッションを通じて、より深い学びへとつなげました。
参加学生を対象に実施したアンケートでは、満足度「5(大変満足)」が全体の73%を占め、「4(満足)」を含めると95%以上が肯定的な評価を示しました。
主な声としては、
* 「ドイツの学生と一緒に作品を作る貴重な体験ができ、友人もできた」
* 「言葉の壁を越えた共同作業がとても楽しく、文化の違いも学びになった」
* 「お互いの建築や空間に対する感性の違いが刺激的だった」
* 「英語を実践的に使う貴重な機会になった」
といった国際交流の成果を実感するコメントが寄せられました。一方で、「時間の制約のなかでの制作がハードだった」「準備の負担が一部に偏った」といった改善点を指摘する声もあり、今後のプロジェクト運営に向けた貴重なフィードバックとなりました。
本プログラムは、単なるデザイン教育にとどまらず、日本文化の深い理解と異文化への尊重、そして国際的な協働の意義を学生たちに体験させる貴重な機会となりました。次年度のドイツでの実施を通じて、さらなる学びと交流の深化が期待されます。
大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部 空間デザイン学科
西應 浩司 福原 和則 山本 麻子 増岡 亮 中村 卓 北脇 玲男 白髪 誠一
国際交流センター 老 昭浩
本プログラムは、次年度のドイツ開催を見据えた交換型国際PBLの初年度として位置づけられ、日本側での開催となりました。参加者は、HAWK大学から学生16名・教員3名、OITから学生20名・教員7名。国際交流センターの協力のもと、2025年1月から事前学習やオンラインでの意見交換を重ねながら、テーマ「未来へつなぐ現代の茶室」の実現に取り組みました。
ワークショップ初日となる5月29日には、奈良県大和郡山市の慈光院にて、日本の伝統的な茶室空間を見学。茶道や禅に込められた哲学への理解を深めたうえで、翌日からOIT梅田キャンパスでの制作が始まりました。
学生たちは3チームに分かれ、それぞれ独自の解釈と工夫を凝らして現代の茶室を創作しました。和紙を使った透明感のある壁で都市との調和を表現したチーム、障子の構成から着想を得て「境界」の概念を空間化したチーム、さらに参加者の言葉を紐に挟みこむインタラクティブな提案を行ったチームなど、多様なアプローチが光りました。いずれも、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくり」を意識し、持続可能性と美的価値の両立を目指した作品です。
6月1日には、梅田キャンパス1階ギャラリーにおいて高精細の新型サイネージ9枚を使用し、水と緑豊かな奈良県川上村の自然を表示しました。これを背景として設え、OIT茶道部の協力のもと、完成した茶室で茶会を実施。日独の学生が一堂に会し、「一期一会」の精神を体感する貴重な時間を共有しました。3つの茶室と解説パネルは、茶会当日から約3週間ギャラリーで展示され、地域の方々にもこの企画を見ていただきました。
最終日6月3日には、大阪・関西万博を訪問し、木造パビリオンなど先進的な建築空間を体験。空間と文化の相関についてのディスカッションを通じて、より深い学びへとつなげました。
参加学生を対象に実施したアンケートでは、満足度「5(大変満足)」が全体の73%を占め、「4(満足)」を含めると95%以上が肯定的な評価を示しました。
主な声としては、
* 「ドイツの学生と一緒に作品を作る貴重な体験ができ、友人もできた」
* 「言葉の壁を越えた共同作業がとても楽しく、文化の違いも学びになった」
* 「お互いの建築や空間に対する感性の違いが刺激的だった」
* 「英語を実践的に使う貴重な機会になった」
といった国際交流の成果を実感するコメントが寄せられました。一方で、「時間の制約のなかでの制作がハードだった」「準備の負担が一部に偏った」といった改善点を指摘する声もあり、今後のプロジェクト運営に向けた貴重なフィードバックとなりました。
本プログラムは、単なるデザイン教育にとどまらず、日本文化の深い理解と異文化への尊重、そして国際的な協働の意義を学生たちに体験させる貴重な機会となりました。次年度のドイツでの実施を通じて、さらなる学びと交流の深化が期待されます。
大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部 空間デザイン学科
西應 浩司 福原 和則 山本 麻子 増岡 亮 中村 卓 北脇 玲男 白髪 誠一
国際交流センター 老 昭浩
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組み立ての様子 -
完成した3作品 -
水と緑豊かな奈良県川上村の自然を背景にした茶会の様子