システムデザイン工学科は4月22日、本学と連携協定を結ぶ奈良県川上村の泉谷隆夫村長を梅田キャンパスに迎え、同村との連携授業「川上村源流学」を開催しました。本授業は、3年生配当のシステムデザイン実践演習の1プログラムとして実施しているもので、吉野川(紀の川)の水源地である同村の取り組みや課題を学び、解決策の提案に取り組みます。本年度は8人の学生が受講しています。
当日は泉谷村長が「川上村の林業・木材業 現状と活性化の取組」と題して講演しました。講演では、林業従事者の減少や、村の人口減少に伴う担い手不足を背景に、放置人工林の増加が進んでいる現状が示されました。さらに、地球温暖化の影響として降雨量の増加や鳥獣被害の拡大が挙げられ、特にシカによる食害が深刻化し、植林が困難になりつつある実態についても説明がありました。
また、森林機能の低下が水資源へ与える影響にも言及されました。村内の大滝ダムの貯水率が一時5%を下回るなど、国内有数の水源地としては異例の事態が発生したことを紹介。現在は回復傾向にあるものの、単なる降雨量の問題にとどまらず、森林の保水力の低下の問題など、森林の健全性によって水資源が支えられていることが強調されました。
こうした課題に対し、同村では林業従事者の育成や作業道の整備、機械化の導入などによる森林施業を推進するとともに、情報発信の強化による関係人口の創出に取り組んでいます。さらに、川上村産吉野材を活用した義務教育学校の建設や、吉野杉の抗アレルギー効果に関する研究を通じたブランディングなど、木材活用の活性化も進めています。
講演後にはグループディスカッションを実施。学生らは「獣害対策」と「関係人口の増加」の2つのテーマに分かれ、泉谷村長に積極的に質問を行いました。学生からは「担い手不足の中で、若い世代に林業の魅力をどう伝えるか」「地域の魅力をどのように発信していくか」といった問いが寄せられ、泉谷村長は「まずは現地に来て体験してもらうことが重要」と応じ、実体験を通じた理解の大切さを強調されました。
履修学生らは、今後6月6日からの5日間、同村でのフィールドワークを行い、現地調査を踏まえた具体的な課題解決策の検討を進める予定です。
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泉谷村長(前列左から3人目)と本学学生・教職員ら -
川上村の林業についての講演後、学生からの質問に答える泉谷村長 -
グループディスカッションでは学生と泉谷村長が同じテーブルに着いて、意見を交わした



