8月2日、エヌビディア合同会社との連携協定に基づき学生が主体的に参画している「NVIDIA学生アンバサダー」による技術発信イベント「学生アンバサダー合同ワークショップ」に、本学の学生2人が参加しました。
本イベントは、NVIDIA学生アンバサダーが中心となり、大規模言語モデル(LLM)やデータサイエンス、デジタルツイン、ロボティクス領域への応用事例など、NVIDIAの最新技術を活用した取り組みを発表するイベントです。
本学の学生はデジタルツインセッションでの事例発表で登壇しました。そして、今回のプログラムを経て、NVIDIA 学生アンバサダーに認定されました。
■NVIDIA学生アンバサダーとは
「NVIDIA学生アンバサダープログラム」は、AIやデータサイエンス、デジタルツイン、ロボティクスといった先端技術領域において、NVIDIAの最新ツールや開発環境を活用しながら実践的な知識を高めることを目的とした国際的な学生育成プロジェクトです。アンバサダーに選出された学生たちは、全国各地の大学生と連携しながら、ワークショップの企画・運営、先端研究の発表などを通して経験を積んでいきます。
■本学学生による発表
今回のプログラムに参加した網干英真さん(ロボティクス&デザイン工学研究科システムデザインコース1年)とフアム・ホアン・アインさん(ロボティクス&デザイン工学研究科ロボティクスコース2年)は、デジタルツインを活用するのに不可欠な技術について発表しました。
「3Dモデル生成と複数人コラボレーション」と題して、前半では、AI活用した3Dモデル生成・処理などを行うサービス「3D.Core」の仕組みを紹介。スマートフォンや360度カメラで撮影した映像から、高精度な3Dメッシュデータを生成し、Omniverseで活用する方法について解説しました。ぬいぐるみや植物、自動車、空間など多様な対象での生成事例も紹介されました。
後半では、フアム・ホアン・アインさんが「Omniverse Enterprise Nucleus Server」を活用した複数人でのOpenUSDを使った3Dデータのコラボレーション事例を報告。NVIDIA Omniverse™ のリアルタイム同期機能「Live Sync」やアクセス管理、セキュア通信などにより、安全かつ効率的に共同作業が行える点を報告しました。両者の発表は、「NVIDIA Omniverse」が、教育・産業におけるデジタルツインの可能性をGPUを活用することで大きく広げることを示す内容となりました。
網干英真さんにアンバサダープログラムに応募した動機を聞くと、「注目されつつあるデジタルツインの技術を、その分野の最先端であるNVIDIAさんから直接学べるという機会が、私の知見を広げてくれる新たな刺激になると考え、挑戦しました」と語ってくれました。プログラムを通しては、「先行研究や最新の技術動向を知ることができ、自身の研究テーマを深めるヒントになった」と振り返り、「他大学の学生の取り組みにも触れることができ、視野が大きく広がった」と充実した表情を見せました。
フアム・ホアン・アインさんは、このプログラムへの参加について「デジタルツイン領域を研究する中で、NVIDIAのツールや考え方を直接学べる本プログラムは非常に魅力的でした」と語ります。また、「社会実装に向けた事例にも触れることができ、特にデータセット収集の難しさを実感しました。現場を意識した研究の重要性を再認識できたのが大きな収穫です」と、手応えのある経験となった様子でした。
そして、今回のワークショップの取り組みを通じて、「Omniverse」の基礎から応用に至るまで、実際の開発事例やNVIDIAのさまざまなツールについて体系的に学ぶことができました。各々の専門性を深めただけでなく、他大学の学生アンバサダーの取り組みを聴くことで、技術の社会的活用という広い視点も獲得したと語っています。
最後に2人は、「NVIDIA学生アンバサダープログラムは、GPUが関わるさまざまな領域の最先端の事例を学べる貴重な場です。ぜひこの機会を生かして、自らの研究や学びをさらに深めていってほしいと思います」と後輩たちへメッセージを寄せてくれました。
■大阪工業大学とNVIDIAの連携の広がり
大阪工業大学は2024年8月、エヌビディア合同会社との間で包括連携協定を締結しました。本協定に基づき、両者は「NVIDIA Omniverse」を活用したデジタルツインの実験フィールドの設置や、高性能ゲーミングPCを備えた「OIT esports Digital Area」の設置を含む、教育・研究・課外活動における先進的な連携が推進されています。
そして、梅田キャンパスの「OIT esports Digital Area」では、NVIDIA GPUを搭載した高性能ゲーミングPCが整備され、研究・教育・課外活動の融合拠点として活用されています。ここではOmniverseの学修やAIシミュレーション演習が実施されており、NVIDIA技術を日常的に取り入れた学びの環境が整備されています。
本学では最先端技術に触れる場を学生に提供し続けています。今回のプログラムへの参加は、学生が“学内外の境界”を越えて挑戦する好例となりました。今後も大阪工業大学は、産学連携を通じた教育環境の充実を図り、次世代の技術者育成に取り組んでまいります。
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事例報告を行う様子 -
会場の様子 -
NVIDIA学生アンバサダーに認定された網干英真さん(左)、フアム・ホアン・アインさん(右)と井上 明ロボティクス&デザイン工学部 システムデザイン工学科 教授(中央)