8月9日、10日に神戸サンボーホール(神戸市中央区)で開催された「レスキューロボットコンテスト2025」に本学ロボットプロジェクトチーム「大工大エンジュニア」と梅田ロボットプログラミング部「UP-RP(ウーパールーパー)」が出場。大工大エンジュニアは「ベストロボット賞」と「ベストプレゼンテーション賞」を受賞し、UP-RPは「第二十一回競基弘賞 レスキューロボットコンテスト2025奨励賞」を受賞しました。
本大会は阪神・淡路大震災を契機に、レスキューシステムを拡充し災害に強い世の中を作るという大きな目標に向けて、技術の継承と次世代人材育成のための一つの手段として開催され、創造性を育む場や機会を提供しています。競技設定として、地震で被災した建物を模擬した4分の1スケールの実験フィールドでの救命救助活動を想定しています。ロボットを操縦するオペレータは実験フィールドを直接目視できない場所で主にロボットに搭載されたカメラの映像やさまざまなセンサーを頼りにロボットを遠隔操縦し、時間内に要救助者を模擬した3体のレスキューダミー(愛称:ダミヤン)を救出します。競技結果だけでなく、レスキューに対する考え方や競技内容も重要な評価基準となっています。
各出場チームは、指定されたスタートゲートからロボットをフィールドに投入。制限時間内に①作業ミッション、②調査報告ミッション、③救出ミッションの3つのタスクをこなします。また、競技ミッション以外にも事前に行われた書類審査や、プレゼンテーション、審査員評価などが複合的に評価され、順位が決定します。
大工大エンジュニアは、「always, anywhere, anybodyの3つのaでベストパフォーマンスを目指す」というコンセプトのもと3機でコンテストに臨みました。救助体制としては、3号機「ソラリス」が救助現場の情報収集を行うだけでなく、要救助者の容態判定、音声解析、支援物資提供などをこなすことで、救助ロボットの1・2号機の救助体制を整えます。1号機「ソテル」は救助機構を3種類用意し、地震に伴う津波や火災など、災害現場に応じて適切な救助機構に取り換えることが可能です。2号機「ソテリア」は高い走破性で2階での救助・搬送を担当。マシュマローラーというシャッターをダミヤン(要救助者)の下に滑りこませて救助することが特徴です。
大会初日の1stステージでは、アンテナの不具合から2号機が暴走し、1号機を動かすことに手が回らない状態に。3号機も途中までは順調に2階の支援物資提供などを行いましたが、ハンドが脱落しパワーが入らないトラブルに見舞われ、思いどおりの競技ができませんでした。しかし、全14チームの中で上位6位の高得点を獲得したことから、ファイナルステージに進むことができました。1stステージ後、2号機のアンテナが抜けないよう固定を強化したほか、タスクの多い3号機が確実に動くように通信方法を優先に変更。また、ポイント付与状況について分析し、各機体の動きを変更したことにより、ファイナルステージではすべての機体を有効に動かし、ファーストステージの約3倍である283ポイントを獲得しました。同チームは、やさしさを大切に、チームで搬送完了を目指したロボット作りが評価され、「ベストロボット賞」を受賞しました。
リーダーの徳野陽也さん(ロボット工学科3年)は「今年メインで活躍した2年生は、技術に貪欲で、賞を取ることを目標に取り組んだメンバーなので、来年のさらなる健闘を期待しています」と次年度への闘志を燃やしていました。
大工大エンジュニアの活躍については、日本ロボット学会でもご紹介いただきました。記事はこちら
梅田キャンパスに拠点を置く梅田ロボットプログラミング部のUP-RP(ウーパールーパー)は、「ダミヤンではなく、人を想定した救助を行うこと」をコンセプトに3台のロボットでコンテストに臨みました。1号機が1階、2号機が2階の救助を担当し、3号機は1・2号機の救助支援を行います。1号機「ぐり」は車輪型のロボットで、アームにより障害物を除去した後、担架を用いてダミヤンを救助します。2号機「ぐら」は、6本多脚が特長で、階段を歩くような動作で登ることができます。また、エアーにより体を固定する機構を搭載することによって、体格差があっても体を固定できる形となっており、この性能は大阪・関西万博での出展時も高い評価を受けました。3号機「フライ・パン」には救助現場を俯瞰的に見れるようカメラを設置したほか、2号機の移動を補助します。
1stステージでは、3号機は2階での救助を補助するため、パンタグラフを伸ばして2号機の到着を待ちましましたが、2号機がうまく階段を登れず、得点には繋がりませんでした。一方、1号機はルームAの障害物を除去することに成功しましたが、時間が足りずダミヤンの救助には至りませんでした。この反省を生かして、2日目は1号機をメインに動くフォーメーションに変更し、1階のルームAにいるダミヤンに救援物資を届けた後、ルームBで瓦礫を撤去し、ポイントの獲得に大いに貢献しました。しかし、ダミヤンの救出を完了することができず、午後に開催されるファイナルステージへの進出を逃す結果となりました。
同チームは、実寸大の機構を製作し、要救助者の立場で感じたことを機構製作に反映した点が評価され、「第二十一回競基弘賞 レスキューロボットコンテスト2025奨励賞」を受賞することができました。この賞は阪神・淡路大震災で亡くなった学生の名前が付けられた賞で、人を助けるレスキューに関連するシステムの研究開発に対する業績を表彰の対象としています。UP-RPのリーダーである西本裕亮さん(ロボット工学科3年)は「1・2号機の救助機構に力を入れて製作したので、その点が評価されて奨励賞を受賞できて嬉しい。しかし、コンテストではダミヤンを救助するところまで辿り着かなかったのは課題なので、次年度に向けて強化したい」と意気込みを語りました。
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