9月8日~13日にかけて、愛知県常滑市のAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開催された「第23回学生フォーミュラ 日本大会2025」に本学学生フォーミュラプロジェクト「TEAM REGALIA」が出場しました。本大会は、コストやデザイン(設計)、製造販売に関するプレゼンテーションを評価する「静的審査」と、マシンの走行タイムや燃費効率などを評価する「動的審査」の合計得点を競います。今年は台湾や中国、タイ、マレーシアなど、海外からの参加含め全83チームが大会にエントリーしました。
9月9日~11日に実施された静的審査では、「市場要求に合った車両の製造・販売を含むビジネスプランを会社役員へ説得させる」という仮想のシチュエーションで行われたプレゼンテーション審査、実際に組み立てたマシンの開発などにかかったコストと製造審査、車両に対する工夫や採用された技術のデザイン(設計)審査の3項目で行われました。本学チームはプレゼンテーション審査において、関西・大阪万博の跡地をサーキット場として利用するビジネスプランを提案しました。この提案は、世間から注目を集める関西・大阪万博の跡地に新たなサーキット場を開設し、小型フォーミュラカーの普及促進を図るとともに、自社が運営するサーキット場への関心も高めることを目的としています。
今年のチーム車両「REG18」は、エンデュランス完走を目指して、安定した走行性能を重視して設計されました。基本設計は昨年の「REG17」と同じものを採用しつつ、吸気と排気に関わるトラブルを改善するため、エンジンパーツを変更しました。車体重量は186.0kgと今大会出場チームの中で最軽量を実現し、最軽量化賞(ICV)の特別表彰を受賞しました。
動的審査への出場要件である技術車検では、135項目にわたる厳しい検査が行われました。今年は1つのトラブルもなく、全項目をクリア。これにより、9月11日から始まる動的審査への進出が確定しました。
直線75mの加速タイムを競う「アクセラレーション」では、加速性能向上を目標に車体を改良した結果、昨年より約2秒もタイムを短縮し、5.476秒(種目別順位36位/58チーム中)を記録。8の字コースを周回し、コーナリング性能を競う「スキットパッド」ではREG18の本来の性能を発揮し、5.234秒(種目別順位18位/58チーム中)の好成績をマーク。また、直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約800mのコースを2周走行する「オートクロス」では、REG18の軽量なボディ特性を生かしたスムーズな走行を見せ、71.642秒(種目別順位28位/58チーム中)となりました。
そして、最後の種目である直線・ターン・スラローム・シケインなどによる周回路を約20km走行する「エンデュランス」に出走しました。一人目のドライバーは、安定的な走行で無事に半分の10週を完走し交代。二人目のドライバーも、初出場とは思えない落ち着いた走りで順調にコースを進みましたが、ゴールまで残り約100m地点でエンジンが停止。所定の制限時間内に再度エンジンをかけることができず、無念のリタイアとなりました。
最後の種目では、記録を残すことができませんでしたが、すべての種目に出場し、最終順位は34位となりました。また、消費効率審査の得点が最も高いチームに与えられる「省エネ賞」で3位に入賞しました。
チームリーダーの近久蓮さん(機械工学科2年)は、「今年の目標であったエンデュランス完走にはあと一歩届かなかったが、エンデュランスに出場すること自体を目標としていた昨年と比べ、大きく成長できた1年だった。これまでの経験によってフォーミュラの基盤が固まったので、来年は加速性など、マシンの性能向上に挑みたい」と来年に向けた意気込みを語りました。
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「TEAM REGALIA」のメンバーら -
会場を疾走する「REG18」 -
会場での整備の様子