工学部 電気電子システム工学科 パルスパワー工学研究室

見市 知昭Miichi Tomoaki
教授
長時間・低電力で蓄えたエネルギーを、短時間で高電圧かつ大電流(つまり高電力)に変える技術のことをパルスパワーといいます。本研究室では、この技術を使ってパルス状の高電力を発生させ、それによって発生するプラズマを用いて環境・エネルギー・資源の新しい形を切り拓きます。電気工学から社会課題に挑む、未来志向の研究室です。
Theme 主な研究テーマ
- 電気で水をきれいにする — パルスプラズマによる環境浄化
- 電気で燃料の未来をつくる — プラズマ触媒によるバイオマス変換
- 電気で肥料をつくる — プラズマによる持続可能な窒素固定
テーマ① 電気で水をきれいにする — パルスプラズマによる環境浄化
窒素と酸素を混ぜたガス中にパルスプラズマを発生させ、普通の方法では分解できない水中の汚染物質を分解しています。
研究室独自の高電圧回路により、1秒間に約1,500回ものパルス放電を実現。薬剤を使わず水を浄化できる可能性を持つ、新しい環境技術です。
🌍 電気で環境を守る。
テーマ② 電気で燃料の未来をつくる — プラズマ触媒によるバイオマス変換
木や草のような非食用バイオマスから、プラズマで作った固体酸触媒を用いてグルコース(ブドウ糖)を生成します。
このグルコースを発酵することでバイオ燃料であるバイオエタノールを作ることができます。
プラズマ条件の最適化により、電気で資源を生み出す新しい燃料づくりに挑戦しています。
⚡ 未知への挑戦──エネルギーの未来を切り拓く。
テーマ③ 電気で肥料をつくる — プラズマによる持続可能な窒素固定
世界の農業を支える窒素肥料の多くは、膨大なエネルギーとCO₂を排出するハーバー・ボッシュ法で生産されています。
私たちは、水面上でパルスプラズマを発生させ、空気中の窒素を硝酸(HNO₃)として水に取り込む手法を探究。化学プラントを使わず、電気だけで肥料をつくる新技術を目指しています。
🌱 電気で農業を変える。
Profile 教員プロフィール
見市 知昭Miichi Tomoaki教授
専門分野
- 放電プラズマ工学
- パルスパワー工学
研究室がめざすSDGs
Message from the Faculty 教員メッセージ
実験系の研究室では、一般的に誰もやったことのない内容の実験を行なっています。そして得られた実験結果から、例えば私たちの研究室では、プラズマによって作られた活性な物質がいかにして水中の物質と反応したのかを考えます。ですが、その反応過程はとても複雑で一筋縄では行きません。そのため反応過程を予想しながら、その検証実験をするなど地道な作業も行っています。細かなことの積み重ねですが、わからないことを自分達の手で明らかにする、そんな経験が楽しくて研究を続けています。
Message to current students 在学生メッセージ
回路を組み、プラズマを発生させ、実験を通して理解を深める──手を動かして成長できる研究室です。環境・エネルギー・資源という社会課題に、“電気工学から挑む”仲間を歓迎します。
Future この研究がかなえる未来
水をきれいにし、燃料をつくり、農業を支える。キーワードは「電気で世界を良くする」です。







