化学・環境・生命工学専攻 大学院:工学研究科(博士前期・後期課程)

環境工学コース

環境工学コースでは、環境工学の基盤となる知識や方法論を身につけ、環境浄化、自然共生、環境エネルギー、環境システムに携わるための技術を高めていきます。

都市化による地域環境の変化に対し、自然との共生・新産業の創出に取り組む。
自然環境との調和を指向した新技術の開発に取り組みます。たとえば、人口集中地域である都市圏で「緑のカーテン」によりヒートアイランド現象を緩和し、自然調和型のビオトープ・緑地を創生します。「生物多様性」、「都市緑化の機能」を定量化し、その保全や実現に資する新素材の開発、植物工場への展開、さらに高機能性食品の研究といった分野に発展させます。
微生物の代謝を利用した有用物質の生産、生態系による環境保全技術を研究。
生物の潜在能力を利用した再生可能でカーボンニュートラルな新エネルギーの開発を目指します。微生物の代謝を利用、例えば微細藻類が作る「緑の原油」、「微生物発酵が作るバイオガス」を化石燃料の代替資源として利用する研究、森林保全やバイオマスの有効活用による「カーボンシンク」について研究します。またそのような新技術の有用性を評価する「ライフサイクルアセスメント」の視点も重要です。
水質分析を通して環境問題の実態を把握し、水質浄化のための水処理技術を実践。
環境保全は、まず環境モニタリングから。特に水質汚染の調査、水の浄化に取り組んでいます。最近では地理情報システム(GIS)を使って視覚的に解析することも重要になっています。水の浄化は、歴史は古いが奥が深い砂ろ過は勿論、特殊なバクテリアやクロレラなどの微生物を用いる方法など様々です。将来は微生物燃料電池により水の浄化と同時にエネルギー生産も可能になるでしょう。
資源の循環を正しく理解し、省資源・省エネルギー技術について専門性を高める。
資源のリサイクル、エネルギーの有効利用は我々の社会生活と環境保全の両立にとって重要なテーマです。様々な廃棄物資源、バイオマスを利用した燃焼エネルギーの高効率利用、バイオガスを燃料とした燃料電池システム、蓄電池を利用した電気エネルギーの有効利用は環境エネルギー分野に欠かせない緊急課題です。素材のエネルギー伝達等の計算科学によるアプローチも行っています。