学生相談室STUDENT COUNSELING
【学生相談室コラム】学生相談室だより(おおよど291号2024年7月掲載)
2024年7月26日
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ヒトにとって、こころの自由を守ることはなかなか難しい…。
「カウンセリングって何するの?」
カウンセリングというと、なんとなく悩みを聞いてくれるところというイメージはあるものの、「話を聞いてどうするんだろう?」という疑問を持っている方もおられるかもしれません。「話を聞く」という、言ってしまえば誰にでもできそうなことが、なぜ仕事として成立するのか?カウンセラーである私自身、自問自答することがあります。相談者としては、聞いてもらうだけでなく解決策を教えてほしいと思うかもしれません……でも、人から与えられた解決策に対して納得できないことや、正しいと思っても実行できないことはないでしょうか?
私がカウンセラーとして何を一番大切にしているだろうか?と考えると、それは相談者の「こころの自由を守る」ことだと思います。人には言えないような気持ちを抱えていても、周りからどんなことを言われていても、カウンセラーは、「“良さ”や“正しさ”がなんであるかを誰かに決められてしまわないような場所を提供」(松本卓也,2021)して、その人自身のこころが進む道を見出すのを見守ります。そういう場は他にそうありません。だからこそ、ただ「話を聞く」ということに価値があるのだと思います。
引用文献:松本卓也「心の仕事につきたい?とりあえずやめておきましょう!」(「『心』のお仕事-今日も誰かのそばに立つ24人の物語」河出書房新社,2021.p20)
学生相談室カウンセラー 森崎 志麻