What’s New 実世界情報学科 新着情報
-
学科長メッセージ
実世界の問題を扱う実践的な教育に込めた思い
実世界情報学科という名称は耳慣れないものですが、その源流はアメリカの国立科学財団が重要な研究分野として位置付けているサイバー(情報世界)・フィジカル(実世界)・システムにあります。現実世界(実世界)にある人・モノ・環境情報を集めてビッグデータとし、AIを活用して実世界の問題の解決方法を見つけ、その結果を実世界に戻してドローン・ロボットや機器類をプログラムで制御していきます。
実世界情報学科における学びは、入学直後からドローンを使った実践的な授業から始まります。これまでの情報科学部における教育の経験から、講義で学んだことをその場で自ら体験できる実践教育によって、学生の皆さんに学ぶことの意義を体感してもらいたいという意図があります。このように本学科では興味と意欲を持ってもらうことで、学生の成長を促す教育を提供してまいります。
実世界情報学科が扱うテーマは、企業にとってもAIをはじめとする最新の情報科学技術をいかに活用して社会課題を解決していくかというビジネスと直結するものです。そのためのAIやプログラミングの基本スキル、IoT (モノのインターネット)などの専門知識、実際の社会課題への取り組み経験を持つ学生は就職活動においても高いアピール力を持ちます。本学科においては、意欲を持たせて学生を成長させ、工大の強みである就職力と相まって、社会へ力強く飛び立たせていく所存です。
情報科学部 実世界情報学科長
酒澤 茂之 Sakazawa Shigeyuki

現実世界と対になる仮想世界「デジタルツイン」を利用して未来のサービスを創造します。
学校の食堂やショッピングセンターのフードコートが混雑していても、この未来のサービスがあれば座席探しの苦労もなくなります。椅子に付けたセンサの情報を元にして、ネット上の仮想的な食堂「デジタルツイン」に反映して空き席状況が分かるようにします。そしてデジタルツインの上で現在の状況と過去のデータに基づく混雑のシミュレーションを行って、お昼休みの混雑ピークに向けて、1人や2人組はカウンター席へ案内し、4人連れ等のグループ客の待ち時間を短くするという判断を行います。ここまでできれば「超ベテラン」の案内係のような働きができるようになります。
このように、現実世界の情報をセンシング、デジタルツイン上でシミュレーション、現実世界のロボットの操作や人への情報提供を行う技術を学び、社会課題を解決する力を養成します。

実世界情報学科の学びは、実世界をセンシングして集めた情報をデジタルツインの上で処理し、それに基づいてロボットやドローンなどを制御するというサイクルになっています。大きな特色となっているのは、デジタルツインに次々と入ってくる今現在の情報をAIで認識し、過去のデータに基づいて未来のシミュレーションを行う点にあり、そのために画像処理に関する科目や人工知能に関する科目が用意されています。また、実際にドローンやロボットを動かしてみる実践があることも特長です。こうした学びに対する研究室卒業生からのメッセージはこちらをご覧ください。
Feature特長
-
【授業】最先端の実践的な学びを通して「未来を創る力」を育てる
入学直後から、AI・ドローン・コンピュータ・IoT技術を活用した最先端の授業が始まります。「実世界情報入門」「コンピュータ入門」「IoT概論」などでは、ドローンの手動操縦やプログラミングによる自動飛行実習を行い、センサやネットワークの基礎も学びます。1年後期から2年次には、「C演習Ⅰ・Ⅱ」「人工知能」などでプログラミングとAIの基礎力を習得します。また、マーカーを用いたドローン制御など、AIとプログラミングを組み合わせた実践的な演習を通して、確かな理解と応用力を身につけ、「未来を創る力」を育てます。在学生の声はこちらをご覧ください。
-
【研究室】 実世界とつながる多彩な専門領域で自分だけの「未来を創る力」を磨く
実践的な学びで育てた「未来を創る力」を、自分の興味や進路に合わせて、さらに専門性と実践力を磨いていきます。実世界情報学科では、デジタルツインを活用して未来を創造することを目指し、それを支えるIoT、ネットワーク、AI、センサ、VR、画像処理などの技術を実践的に学べる環境が整っています。
例えば、「社会基盤を支える技術」では、センサやネットワークを組み合わせたスマート農業や災害対策、「人と社会をつなぐ技術」では、AIやVRを活用した教育・医療支援システム、「人や環境を理解する技術」では、画像処理やセンシング技術を活かした地形解析や環境理解など、デジタルツインの構築と応用につながる学びを深めることができます(写真は植物栽培向けのセンサを導入する研究です。特設ページの具体例もぜひご覧ください)。
これらの技術を学びながら、自分に合った専門領域を選び、教員や先輩学生のサポートを受け、確かな専門知識と応用力を身につけていきます。
-
【社会実装への挑戦】育てた「未来を創る力」を挑戦で試し、揺るぎない力に変える
授業や研究室で育てた「未来を創る力」を、さまざまな挑戦を通して揺るぎない力へと変えていきます。実世界情報学科では、多くの授業で正解のない課題に取り組み、自ら課題を発見し、解決策を考え、仲間と協力して形にする力を養います。また、研究室での活動を通して、専門性や実践力をさらに高めていきます。
こうして培った力は、挑戦を重ねることで揺るぎない力へと成長していきます。たとえば、論文発表、ビジネス・プログラミングコンテストへの参加、学生自身が開発したシステムやアプリを地域イベントや自ら企画したイベントで実際に活用・展示する機会など、これまで学んだ知識や技術を実世界で試す場が豊富に用意されています。
こうした挑戦を積み重ねることで、専門性だけでなく、課題発見力、実行力、協働力などの総合的な力を身につけ、社会のさまざまな分野で活躍できます。最新の学生活躍事例はWhat’s Newをご覧ください。
Research 未来のサービスに向けた研究

未来のサービスには農業との連携もあります。この農地には気温や土壌の状況を調べる様々なセンサが置いてあり、それらの情報を農地デジタルツインに集めています。そして、収穫するのに最も良いタイミングを推測して、それに合わせてロボットを制御して収穫と倉庫への保存を行う研究です。また、作物の市場価格を見ながら、収穫時期を早めたり遅くしたりする栽培制御を行うことや、レストランが要望する味わいに合わせた栽培など、未来の農業に向けた情報技術の応用が求められます。日本の農業における人手不足の問題を解消し、未来のスマート農業を実現するために、摂南大学農学部や企業との共同研究を進めています。

ロボットは、自身に搭載されたLiDAR(光学式距離センサ)の情報や、デジタル世界に複製された都市の3次元マップ、衛星からの測位情報を受けて、常に自分自身が都市のどこにいるかを認識しています(自己位置推定)。
都市のマップには、犯罪発生率や渋滞情報といった動的な情報がリアルタイムに重畳されます。これらの情報に基づき、AIがロボットに対してリクエストに応じた最適な経路を計画して送信します。
例えば、都市にいる一般ユーザは任意の地点から配達のリクエストを発信することができ、目的地に最も早くたどり着けるルートでロボットが品物を届けます。また、犯罪情報に基づき、特に防犯が必要な地域を重点的に巡回するなど、市民が安心して暮らせるように見守りを行います。

教育においてもデジタルツインが重要な役割を果たすようになります。教室にいる生徒はそれぞれ学習の進度だけでなく、その日の体調など様々な個人差があります。そんな中で先生から生徒への一方的な授業をするのではなく、生徒ごとに適切な学習教材の提供や、先生やアシスタントロボットからの声掛けや見守りが未来の教育で大切になるでしょう。デジタルツインには現在進行中の学習だけでなく、過去の学習記録や、他の学校での類似した教育の事例などのデータが蓄積され、それを元にした生成AIによる支援が生徒全員に寄り添うことにつながります。
Students & Graduates Voices 在学生・卒業生の声
-
在学生の声
(実世界情報学科1年 岩倉満依)
実世界情報学科の魅力は、教室で学ぶだけでなく、実際に体験しながら知識を身につけられることです。
前期の「実世界情報入門」では、資格取得に通じる知識や、初回からドローンに触れる機会があり、聞くだけでは分からないことを体験的に学べました。思った通りにドローンを飛ばせたときには大きな感動があり、こうした経験を通して情報技術が社会でどのように役立つのかを理解できるのは大きな魅力です。
後期から始まる「C演習I」は教授曰く難易度が高いそうですが、その分しっかり力を身につけられると期待しています。今から挑戦するのが楽しみです。(実世界情報学科1年 川島大輝)
「実世界情報入門」という講義が、私にとって特に印象深い授業でした。
三人一組で7つの課題に挑戦する講義で、どの課題にも明確な正解はなく、1人ではなかなか解決できないような内容ばかり。
だからこそ、仲間と一緒に「どうすればこの課題を解決できるか?」を何度も話し合い、試行錯誤を重ねる時間がとても楽しく、実践的な学びだと感じました。
また、グループワークを通じて、自然と多くの人と交流する機会が増えました。講義の枠を越えて、苦手な分野を教え合ったり、講義後に遊びに行ったりする友達もたくさんできました。
この講義では、実際の社会に近い課題に向き合いながら、仲間とともに考え、行動する力がついたと感じました。 -
卒業生の声
(インテリジェントメディア通信研究室卒業生 NTTドコモビジネス 原啓介)
私は現在、ITエンジニアとして、内製のコミュニケーションPaaSの開発に携わっています。
PaaSの開発では、IoT端末から得られる膨大なデータのやり取り、ロボットの遠隔操縦、AIと連携したサービスの展開など、さまざまな技術に触れる機会があり、日々新しい学びがあります。
実世界情報学科で学ぶカリキュラムは、こうした最先端の分野に触れ、挑戦する姿勢を育む絶好の場です。授業で得られる知識はもちろん、研究室の仲間や先生との議論、そして自ら手を動かして試行錯誤する経験は、社会に出てから必ず役に立ちます。ぜひ在学中に興味の幅を広げ、自分の可能性を信じて取り組んでください。
実世界情報学科3つの方針
Facility施設紹介
-
「枚方」にそびえ立つ
広大なキャンパス。大阪北東部に位置する広大なキャンパスには、情報科学に関する施設が充実しています。
閑静な住宅街に囲まれた落ち着いた環境で、学修や課外活動ができます。 -
社会とつながり、未来を変える
「DXフィールド」が誕生スマートモビリティサービスの実践的研究・教育・学内ベンチャー発祥の拠点とします。実世界の情報を収集・データ分析後、バーチャル空間における再現等の教育・研究を行う情報科学部における多様な探究と視点に立った学理追求を行い、豊かな創造性を育ませる源となるにふさわしい施設として整備しています。
Q&Aよくあるご質問
-
実世界情報学科は、どのような学科ですか?他学科と比べてどのような特徴がありますか。
実世界で起きている様々な課題を情報科学技術で解決する力を身につける学科です。プログラミングやAIを活用するスキルが身につく点は情報科学部共通ですが、実世界情報学科では、実世界の課題を対象にAIを始めとする情報科学技術をドローン・ロボットや様々な環境機器の制御に使うなどの応用的な取り組みに特長があります。 -
新しい学科ですが、どのような就職先になりますか?
新設学科ですが情報科学部全体としての就職支援が行われますので、これまでの実績どおりの高い就職率(98.8%:2023年)を見込んでいます。プログラミングやAI活用のスキルが活かせるIT(情報技術)企業やソフトウェア開発企業をはじめとして、IoT(モノのインターネット)を活用する電子機器製造企業などが想定されます。 -
ドローンの操縦についてどのような技術を身につけることができますか?
実世界情報入門等の授業でドローンを操縦するために必要な法律や操縦技術の基礎を学ぶことができ、また、研究プロジェクトに参加して、連携しているドローンスクールから学科試験や操縦技術に関するアドバイス等を受けることや、新施設のDXフィールドを活用することでドローンの操縦技術を練習することができます。それらを通じて訓練を積めば、国家資格である「無人航空機の操縦者技能証明制度(操縦ライセンス制度)」も目指すことができます。 -
学費、キャンパスまでのアクセス、入試関連情報を教えてください。
本学入試ページをご覧ください。
Contactお問い合わせ・アクセス

情報科学部事務室枚方キャンパス1号館1階
受付時間:平日9:00〜17:00
夏期・冬期休業期間中のお問い合わせには、回答にお時間を頂く場合があります。