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事業実施計画の概要

SE能力開発のためのスパイラル型情報教育は、文部科学省の補助を受けて平成21年度より3カ年計画で実施しています。この取組全体の教育課程は、情報科学部の4学科に対して共通的に配置され、年次ごとに次の科目から構成されています。

情報科学部が設定した3軸の教育内容について、この期間中に次のような事業を順次整備しています。

モデル化能力の育成
この軸に関する教育では自然現象や物理現象のモデル化を起点とし、年次進行につれて複雑で曖昧な業務プロセスのモデル化能力の獲得を目指すよう、各種教育課程を配置しています。

これらの教育課程の実現のため、低年次生を対象として自然科学系共通教育において現象の可視化とモデル化を意識した授業をまず重点的に行っています。これにより視覚的な確認作業を通じて抽象的な現象を具体化して確認する姿勢、ならびに具体的な現象から法則を抽象化して比較する姿勢を育んでいます。

年次進行につれデータやプロセスのモデル化を扱う専門教育科目を配置しています。
デザイン能力の育成
この軸においては、エンジニアリングデザインや演習の要素を多く含む科目を配当しています。これにより、選んだ解決策の選択理由や他方式との比較をディスカッションや事例研究で討論します。

知識を製品やシステムに具体化する応用力については、座学と実学を織り交ぜたカリキュラム構成としています。また、システム開発の経験を提供するため、プロジェクトベースの課外授業を実施し、その成果を加点方式で到達度評価しています。
業務遂行能力の育成
この軸に関する教育では、まず業務遂行と深く関連する能力として意思疎通の円滑化を図る訓練を入学当初から繰り返し授業科目として提供しています。次に年次進行とともに組織を代表して対象者に説明を行う機会や関係者と深く議論する機会を学部公式行事(催事)として繰り返します。これにより催事の日程に合わせてチームが力を合せ、メンバーが各々の役割を分担しながら取り組む推進力を育んでいます。

平成21年度 事業推進概要

文部科学省による補助事業の初年度となる平成21年度においては、学部導入時教育に重点的に配慮しました。具体的には3軸の到達目標のうち特にモデル化能力を高めるため、自然科学系共通科目(物理学、地球科学等)における現象の可視化を重視した教育プログラムの整備を行いました。可視化に必要な各種装置、材料などの購入を行い、この軸の能力獲得を推進しました。また、特別講義などにおいては従来の講師陣に加えて新たに在京の現役SEや企業役員らを招聘し、企業活動におけるモデル化や論理的思考に関する能力開発の重要性を講演いただきました。

業務遂行能力育成の軸については、1年次の「基礎ゼミナール」において、教員のガイド下で研究室訪問を行い、専門分野の興味を学生に抱かせるとともに、自ら上級生や教員に質問をすることで疑問を解決する姿勢を身につけさせました。また研究室見学報告会を実施し、見聞きしたことを自分の言葉で説明させる能力を育成しました。次に2年次の「テクニカルライティング」において、学生に地域課題の題材を与え,それをグループで解決し,学生が地域や企業の強みを活かしたソリューションを提案する実践教育を行いました。

その他の実施科目については、3軸の各能力開発の観点から講義と演習との対応や使用する題材を再点検しました。また学生の到達度評価について当該科目に関係する複数教員が到達度の基準を作成し、情報技術教育推進委員会で進捗管理を行いながら授業を行いました。

平成22年度 事業推進概要

平成22年度においては、3年次以降のカリキュラムを強化します。具体的には、情報システムの実践課題にゼミ形式で取り組む「情報ゼミナール」を強化します。ここで大規模なシステム開発の経験を積む機会を多く提供するため、予算措置を講じています。

これにより従来から情報科学部で実施中の学部情報案内システムの大規模化のほか、複数の研究室が共同で取り組むシステム開発のための開発基盤を整備します。また、学部エントランスホールを活用して実践課題や研究内容の一端を来訪者や下級生に無人で紹介する「セルフガイドツアー」のための常設展示を行います。展示パネルによる紹介だけに留まらず、情報通信技術を活用した動態展示も行うため、これについても予算措置を講じています。

4年次の「卒業研究」では、従来から複数教員による卒業研究発表会評価制度を実施しています。今年度からはこの制度を拡充し、学内外に会場を設定して関係分野の企業関係者や学生の就職先人事担当者らを招いて公開で卒業研究公開発表会を行います。研究成果を広く外部に公表するとともに、卒業研究の動機づけや研究意義について的確に説明できることを実施の趣旨とします。

平成22年秋には本取組を開始して実質的に1年が経過するため、各年次の3軸の到達目標と評価方法の自己点検を行います。この結果をふまえ、学則改正を要する改善策が生じた場合は教務担当委員会等と調整を行いながら翌年度からのカリキュラム改正を実施します。

平成23年度 事業推進概要

平成23年度においては、1年目および2年目の施策を確実に継続、改善を図るほか、平成22年度までの実施結果を踏まえ、外部評価者を加えた教育課程確認を行います。外部評価者としては各企業における現役SE、企業採用担当者らを想定し、評価者の意見を短いサイクルで教育課程に反映できるよう、工夫を行います。

年度末には、これらの評価結果をフィードバックして本取組の教育課程全体の再点検を実施するほか、シンポジウムの開催により取組の成果を積極的に外部公開いたします。

実施体制

この取組の実施体制を確実なものとするため、教育課程の点検や改善にかかる常設委員会として「情報技術教育推進委員会」を設置されています。この委員会は各年次の到達度評価を確実に管理するほか、学部公式行事の実施とその到達度評価の基準策定を担当し、毎年フィードバックを加えながら取組自体の継続的な改善を図っています。

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