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学生相談室STUDENT COUNSELING

【学生相談室コラム】学生相談室だより(おおよど283号2023年1月掲載)

2023年1月10日

  • 「2023年、どんな1年にしたいですか?」 「2023年、どんな1年にしたいですか?」
  • 「まず、大きく深呼吸!」 「まず、大きく深呼吸!」

『好きな人と、好きなことを』

幸せになるために 生まれてきたんだから
好きな人と 一緒にいなさい
大切なことなんか わかってくるんだから
好きなことを やっていきなさい

 これは、玉置浩二さんが歌う「しあわせのランプ」(作詞:玉置浩二・須藤晃、作曲:玉置浩二)という歌の一節です。“幸せになるために生まれてきた”なんて、そんなのは綺麗事だ、理想論でしかない、そう感じる人もいるかもしれません。それに実際のところ、好きな人とだけ一緒にいて、好きなことだけをしているわけにいかないのも事実です。それでもこの歌詞には、私たちが生きていく上で大切にしたい、重要なメッセージが込められているように思います。
 皆さんの中には、毎日忙しくてやるべきことをこなすだけで精一杯という人もいるかもしれません。しかし、“好き”という気持ちは本当に大きなエネルギーをもたらしてくれます。たとえほんの短い時間であっても、好きな人と一緒に過ごしたり、自分が好きだと思うことをやってみたり、そういう時間を意識して作ってみてください。疲れたときや元気が出ないときほど、そうした時間が前に進むための活力を生み出してくれるはずです。
 新しい1年、皆さんのもとに、幸せを感じる時間がたくさん訪れますように。

学生相談室カウンセラー 重田 智

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『においの記憶』

 皆さんは「プルースト効果」を知っていますか?特定の「におい」が、それに結びつく記憶や感情などを呼び起こす現象です。私の場合、はじめて歩く路地裏で「このにおい、懐かしい…。何だっけ?」と思い、なぜかウキウキした気持ちになったんです。その後しばらく考えて「あっ、おばあちゃん家の裏のにおいだ!」と気づいたわけです。決していいにおいではありませんが、子どもならではの独創的な心と体の感覚を思い出しました。皆さんもこのような経験があるのではないでしょうか。年始というところでいうと、どんど焼き(お守りなどのお焚き上げ)の煙のにおい、餅を焼くにおいなどで、何か過去の感覚を思い出す人もいるかもしれませんね。
 大脳には感情・本能を司る「大脳辺縁系」と理性的な思考を司る「大脳新皮質」がありますが、五感のなかで唯一「におい」だけが「大脳辺縁系」に直接伝達されます。そのため、においの情報は、ほかの情報よりも早く強い刺激として脳に伝わるのです。また嗅覚は生命の維持にとって特に重要なものと考えられています。嗅覚があるから、生まれてすぐの赤ちゃんが母親を認識できたり、目の前にある物を食べて良いかの判断ができたりします。嗅覚は我々が生きていく上で、重要な役割を担っているのです。
 最近はマスクをつけている時間が長く、息を吸ったり匂いを嗅いだりすることを、体が無意識にセーブしているかもしれません。そして、息が浅くなっている人が多いように思います。だからこそ、はずせるときはマスクをはずし、最初に大きく深呼吸をして、ぜひいろんなにおいに出会ってください。何年かして「このにおい、懐かしい!」と感じられるかもしれません。

学生相談室カウンセラー 髙松 沙弥