ページトップへ戻る
  1. トップページ
  2. トピックス
  3. 「令和5年度 知財ビジネスアイデア学生コンテスト本選」で近畿経済産業局長賞などを受賞しました

トピックスTOPICS

「令和5年度 知財ビジネスアイデア学生コンテスト本選」で近畿経済産業局長賞などを受賞しました

2024.02.01

  • 7大学12チームが本選に出場 7大学12チームが本選に出場
  • 近畿経済産業局長賞を受賞した「Advan-Seat」のメンバーら 近畿経済産業局長賞を受賞した「Advan-Seat」のメンバーら
  • 「NO MY KID」(上)と「大灯台」(下)は審査委員特別賞を受賞 「NO MY KID」(上)と「大灯台」(下)は審査委員特別賞を受賞

 1月27日、近畿経済産業局主催「令和5年度 知財ビジネスアイデア学生コンテスト本選」が梅田キャンパスの常翔ホールで開催され、本学知的財産学部・同研究科から4チームがエントリーし、パテント部門(既存の特許技術を活かした新事業)で「Advan-Seat」「NO MY KID」「大灯台」の3チームが、本選に出場しました。
 このコンテストは、近畿地域の大学生等が社会課題解決をテーマとして、若い感性による発想力や企画力をもとに、3部門でビジネスアイデアを検討し、その内容を競うものです。参加学生に知的財産の創造から保護・活用を図る課題解決型の機会を設け、実践的思考と能動的な取り組み態度を涵養するとともに、産学連携の一形態として地域経済界における事業創造活動の活性化に貢献することを目的としています。
 
 本年度は10大学25チームからアイデアの提出があり、一次審査の結果、7大学12チームが本選に進み、ユニークなビジネスアイデアを発表しました。本学チーム「Advan-Seat」が見事、近畿経済産業局長賞に輝き、「NO MY KID」と「大灯台」が審査委員特別賞を受賞しました。「Advan-Seat」チームリーダーの吉原有亮さん(知的財産専攻専門職学位課程1年)は「高く評価していただいて素直に嬉しいです。今回の発表で終わらず、これからも努力して日本をより良くしていきたいです」と喜びを滲ませました。
 
 「Advan-Seat」は、訪日観光客をターゲットにした「観光通知アプリをメインとした旅行者の旅を手助けするプラットフォームビジネス」を発表しました。本学の留学生へのヒアリングから構想を開始。ナビゲーションシステムに関する開放特許を活用した観光地紹介と、観光地由来の名産品を購入できるショッピングサイトとを統合したアプリの開発を提案しました。このアプリでは、訪日観光客が興味をもつ特定の場所(POI・Point of Interest)がマッピングされ、GPS機能の活用でユーザーに近い地域の観光情報が無料でプッシュ通知され、さらにユーザーの関心に合致した名産品が表示されてビジネスにつなげる点が特長です。旅行ガイド雑誌を発行する出版社にインタビューを行って協業提案に好反応を得たほか、地域観光協会との連携も織り込むなど、非常に現実味のあるプレゼンテーションを行いました。審査委員からは「新たな観光地を発見してもらうことで、オーバーツーリズムの社会課題を解決できるかもしれない提案で非常に興味深い」と評価されました。
 
 「NO MY KID」は、「Aroma Arena~AIを用いて新たな可能性を~アロマがつなぐプラットフォームビジネス」と題して、ストレス社会をアロマの力で緩和し人々を幸せにするビジネスモデルを発表しました。画像生成AIに関する開放特許を活用したアロマ専用のSNSを開発し運用するビジネスモデルです。アロマ好きの投稿者が入力した自作のアロマについての文章やキーワードからAIが画像を生成し、アロマのレシピと共に投稿します。アロマ商品を探しているユーザーは、「不眠」「肩こり」といったキーワード検索や画像検索を行うことで、求めているアロマのレシピや関連するアロマ商品を見つけることができます。こうしてアロマ専用のSNS上でアロマ好きが交流したり、関連するアロマ商品の購入までを行うことができます。更に、関連するアロマ商品については、企業が広告を出したり出品することができます。また、アロマのインフルエンサー(アロマリスタ)を育成し、他分野のインフルエンサーとコラボすることで、アロマ商品に興味はあるがあまり手に取ったことのないユーザーを取り込むことも考えています。審査員からは「アロマの世界はブルーオーシャン。匂いを画像で表す発想も非常におもしろいです。香料について研究している大学や企業にもヒアリングしてブラッシュアップすると実現できるかもしれません。将来的には、AIに学習させたアロマに関するデータが大きな価値を持つと考えられ、さらなるビジネスの展開が期待されます。」と評価されました。
 
 「大灯台」は「高齢者見守り防災サービス」と題して、自助が可能な独居高齢者をもつ家族を主要なターゲットとするビジネスプランを発表しました。本ビジネスプランはメンバーの家族の実体験をヒントにして創り上げたもので、災害への早期対応と高齢者に対する見守りサービスからなります。災害発生時の被害者の多くが高齢者であり、また、高齢者は災害に対する危機感が低いという社会課題を正面から捉えたものです。メンバーは当該課題の解決に向け、防災サービスを既に提供している警備会社、視認性に高いサイレンを生産販売しているパトライト社、地域の防災を担う行政機関、気象庁が発する情報に基づく気象防災情報を提供する気象情報会社、地域の防災を研究されている本学情報科学部教授等に対してヒアリングを行い、他に類のない独自のプランに仕立て上げました。高齢者が使いやすいアプリとサイレンを連動させた気象防災情報の早期通知、タクシー会社との密な連携による派遣サービス、家族とのコミュニケーションをベースにした見守りなど、既存のサービスにない画期的な特長を有するものです。審査員からは、「社会課題に正面から向き合ったビジネスプランであり、かつ、多くのヒアリングに基づき練り上げられたプランである」という高評価を得ました。
 
 同学部・研究科では、企業や官公庁など知的財産分野の最前線で活躍した経験を持つ教員による実践的指導と最新の情報に基づく専門教育を展開し、国際的に通用する高度な知識や創造力を兼ね備えた、知的財産をビジネスに活用できるプロフェッショナルを育成します。