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8号館図書館が43年の歴史に幕を下ろします43 years of history, Library No. 8 building closes its doors.

図書館の歴史を辿る

8号館外観(2023年6月28日撮影)

図書館開館までの経緯

 本学大宮キャンパスの図書館の歴史は、1949年の本学開学まで遡ります。開学と共に開設され、「学校法人大阪工業大学図書館」と称し、本学の図書館であると同時に、学園が設置する全学校の図書館としての役割を担っていました。旧本館(現7号館建設地)3階西側部分に閉架書庫と閲覧室があり、蔵書は前身校から引き継いだ9,200冊のみでした。その後、1954年8月には旧東館(前2号館)の完成に伴う図書館の拡張、1960年3月に完成した旧6号館(前6号館)3階への引っ越しなどを経てきました。

1970年頃の大阪工大開架書庫(80年史、242ページより)

 そして、現1号館前にあった水路を埋め立てて、半地下駐車場として利用していた土地に図書館を建設することとなり、1979年6月着工。1980年5月31日、中央図書館(現8号館図書館)として竣工(SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造)しました。建物は、半地下を保存書庫などに活用した5階建て(延床面積5,387.22㎡)で、外壁に黄褐色のレンガタイルを張り、緑色を基調とした銅板で屋根をふいた瀟洒な造りとして建立しました。陶芸作家会田雄亮氏のレリーフがはめ込まれた玄関ホールも特長です。開学以来31年目にして念願であった独立図書館でした。

玄関ホールのレリーフ(80年史、243ページより)

図書館広報誌の発行

 1982年12月、当時の館長であった杉浦寅彦教授(電子工学科(現:電子情報システム工学科))が、学園教職員・学生のみならず広く法人全体の図書館として学内外に紹介するとともに、日常の図書にかかわる情報やサービス活動、寄稿による学術的広報などをテーマとした広報誌「ぱぴろにくす」を創刊しました。「ぱぴろにくす」は図書館員の発案による合成語でパピルス(植物の1種、「紙」を意味する英語の「paper」の語源)とエレクトロニクスを合成したもので、紙の上に印刷された書籍のほかに、電子出版物等ニューメディアも加わった新しい図書館をイメージしたタイトルとして考案されました。同紙は以来刊行を重ね現在 121号(2023年7月)を数えるようになりました。

図書館広報誌「ぱぴろにくす」創刊号(80年史、244ページより)

図書館のシステム化

 1982年、IBM製コンピュータによる漢字処理が可能になったため、オンラインカタロギング(目録作成)の実施に踏み切り、同年4月から図書館総合情報処理管理システム「TLIS:Total Library Information System」を導入・稼働させました。これは、図書の発注から受け入れ、整理、貸出、返却、情報検索サービスまでをこなすことができる画期的なシステムで、大宮校地、寝屋川校地、枚方校地にある学園の図書館(室)をオンライン・ネットワークで接続するよう設計されていました。以後20年近くにわたり、図書館業務の牽引車となってその役割を果たしてきました。2001年4月、TLISは役目を終え、後継システムとして富士通製「iLis-wave」を広島地区を除く学園各図書館で導入・稼働させました。このシステムは21世紀の高度情報通信社会に耐え得る高性能を備えたもので、①インターネット、学内LAN対応により、検索対象が一挙に拡大し、これまでの館内所蔵資料だけでなく、他大学図書館をはじめ外部機関の所蔵資料にもアクセスが可能となった、②研究室や自宅からでも24時間アクセスが可能、③キーワードなどによる多様な検索が可能、④電子情報による受発信(生産・加工)、コンテンツサービスへの活用等が可能、⑤目録作成の効率化、⑥発注、受け入れ、その他管理業務における効率化などの特長があります。併せて、端末機器なども新鋭機種に置き換えられ、図書館が名実ともに一新された一年でもありました。

工大図書館の検索端末機(80年史、245ページより)

工大図書館のAV室(80年史、246ページより)

図書館からの情報発信と学習支援

 図書館では資料や学習エリアの提供以外に積極的な情報発信に努めており、2007年度には学生が思い描く「工大」のイメージを学生らしい感性と自由な発想で表現してもらうデザインコンテスト「工大ウォッチング大賞」を初実施。今日まで続く名物行事となっています。その他にも、様々な特別企画展や、所蔵コレクションの「記念図書」「玉置文庫」の貴重図書を定期的に展示する「工大図書館コレクション展示」、「選書フェア」、「ライブラリーツアー」などを実施しています。

多彩な特集展示(100年史、174ページより)

 近年では、PBL授業などにおける成果物の展示を推進しており、学生が作成した機械やデザインなど創意工夫された展示物を間近でみることができるほか、2階の廊下を画廊として活用しており、卒業生の絵画や写真部のパネル写真などが壁面を彩っています。また、図書館独自の学修支援策として、OPAC(蔵書検索)やデータベースの利用講習会に加えて、実際にデータベースを活用しながらレポートや論文の書き方を学ぶ講座などを展開し、学生の学修をサポートしています。

展示物・段車式六フィート旋盤(昭和十三年関西工學校製作、2023年6月28日撮影)

現在の蔵書と開館時間

 9,200冊から出発した図書館は、現在3校地合わせて約390,000冊に及ぶ蔵書と国内外3,100種の学術雑誌を所属するに至りました。大宮校地においては、2,800種の学術雑誌が納められています。大宮本館の平日開館時間は9時~21時、土曜日は9時~19時。開館日数は年間約285日。入館者は3校地分合わせて11万人にのぼり、2.3万冊を超える館外貸し出しがあります。

今後の展望

 大宮本館は、2023年7月にオープンした新5号館に移転し、本学の新たな“知の拠点”として稼働しています。新図書館のコンセプトは学生みんなが学び主人公になれる快適プレイスとして、「人と本、人と人が交わる知の広場」。知の交流、知の扉、知の宝庫の各視点から充実を図り、館内には開放的な吹き抜けやキャニオン(渓谷)をイメージした書架空間が利用者を迎え、広い窓からは淀川や北摂・六甲の雄大な景色を眺めることができ、絶好の学修環境の下、新たなスタートを切りました。

5号館外観(2023年5月31竣工、2023年6月26日撮影)

 今後も、本学図書館は教育と研究を支える重要な学術情報基盤として、学生の学習支援、学生と教員の研究活動の促進に寄与すべく、教育的役割、情報提供の役割、学修の場を提供する役割を「教育・研究への積極的支援を実践・挑戦する」という基本姿勢で躍進を図っていきます。

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