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工学部一般教育科が「科学講演会」を開催しました

2011.04.25

  • 講演する明講師 講演する明講師
  • 約70人が聴講しました 約70人が聴講しました

 4月20日、工学部一般教育科が「科学講演会」を開催し、学生、教職員合わせて約70人が聴講しました。この講演会は同科が科学的な話題を提供するため、1年次生を主な対象に開いているものです。同科の明講師が「原子核を学び、放射線を知ろう」と題して、原子核、放射線について紹介しました。
 原子核とは陽子と中性子の集合体で、原子を形成する物質です。放射性物質の中に含まれる原子核は不安定であるため、時間が経過すると壊れ、安定な原子核に変化します。壊れるときに放出されるのが放射線です。
 講演では、太陽、土、岩石や恒星の大爆発(超新星爆発)によって自然放射線が放出されており、1年に1人当たり約2.4ミリシーベルトの自然放射線を受けているが、微量であるため健康に害を及ぼす可能性は少ないこと、人工放射線は医療分野(レントゲン撮影、X線)など、私たちの生活に幅広く利用されていることを紹介しました。
 また原子力発電の仕組みについて、ウランを核分裂させて取り出した熱エネルギーを利用していることを解説するとともに、関西地方の電力の約5割が原子力発電によって賄われている現状や、過去に発生した原子力関連事故の事例を紹介しました。同講師は今般の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故について、「情報を適切に判断し、風評に惑わされないことが大切です」と話しました。
 講演後は、放射性物質の原子核が壊れて元の放射性物質の量が減少していく割合の目安である「半減期」の考え方など、活発な質疑応答がありました。また、アルコールの気体を満たした箱の中で放射線の存在を確認できる「霧箱」という装置や、放射線物質を微量に含む岩石とその放射線量を計測できる機器もあわせて展示されました。