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工学部建築学科が第3期リノベーションを実施しました
2012.09.18
8月17日~21日、大学院工学研究科建築学専攻博士前期課程1年次生6人と、工学部建築学科の1年次生~3年次生11人が奈良県川上村の旧川上東小学校でリノベーション合宿を実施しました。期間中は大学院生と学部生がパートナーを組み、「学びの輪」と「うつろうあずまや」をテーマにした2教室の改修を行いました。
「学びの輪」は「5つの円からいろんな行為が広がるように」と床面や天井に5つの円形をデザインしました。これらの円は床と天井で凹凸関係になっており、空間を立体的に広げることをめざしています。天井部分に改修を加えたのは今回が初めての経験ということもあり、設計を担当した大学院生は「天井の施工は実際に天井を開けてみて初めて分かる要素も多く、予定していたよりも作業が難航しました。天井と床でチームを分けて効率よく作業を進め、何とか完成を迎えることができました」と感想を聞かせてくれました。
「うつろうあずまや」は、机や椅子を目的に合わせて移動させてさまざまな空間を作り出す「小学校の教室らしさ」を大切にしたプランです。教室内に可動式の東屋を設け、寝る、着替える、談笑するなど用途に合わせて東屋を動かしてさまざまな領域を作ることで、教室内に新たな空間を創出するというものです。
合宿の後半になると早朝から作業を開始し、寝る時間を惜しんで夜中まで作業を進めるチームも見られました。設計図の上では簡単そうに見える作業も、いざ始めて見ると試行錯誤の連続でなかなか思うように進みませんでしたが、地元の大工さんや教員に指導をいただきながら徐々にチームワークを発揮して無事に2教室が生まれ変わりました。川上村役場の方々からは「これまでの教室とはまた違っておもしろい空間ができました。廃校の小学校に新たな魅力が加わって嬉しいですね」との声が聞かれました。
この活動は、本学が連携協定を締結している同村の廃校になった小学校をリノベーションし、本学学生や環境学習などで村を訪れる方々に利用していただける空間にしようという取り組みで、今年で3期目の活動になります。建築学科と空間デザイン学科の学生たちがこれまでに3教室を宿泊可能な空間にリノベーションしたほか、グラウンドには休憩用ウッドデッキテラスを製作しています。