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第6回「OITテクノフロンティア」を開催しました

2012.12.07

  • 講演する小坂氏 講演する小坂氏
  • たくさんの方に聴講いただきました たくさんの方に聴講いただきました
  • 聴講者から積極的な質問が続きました 聴講者から積極的な質問が続きました

 12月5日、本学工学部電子情報通信工学科は、本学OBで元グローリー工業株式会社開発本部の小坂利壽氏を講師に迎え、大宮キャンパスにおいて第6回「OITテクノフロンティア」を開催し、学生や企業関係者など約100人が聴講しました。
 今回の講演は、「安全社会を生み出すコアテクノロジー 貨幣処理の現状」と題して、偽造紙幣や硬貨をテクノロジーの側面から捉えて、社会の基軸である貨幣の信用を守り、安全な社会を生み出す貨幣処理技術をわかりやすくお話しいただきました。
 グローバルに見た通貨偽造の現状について、偽札が麻薬に次いで多い犯罪の2位に位置し、年間約20兆円の犯罪総額になることや、防止策と新たな偽札の出現が続いていること、対応技術が高度になると実用化への課題が生じることなど、様々な偽造の事例を踏まえて説明されました。
 次に偽造防止の取組について、ユーロ通貨の最新防止技術に関する事例を紹介されました。2002年の流通開始から現在までの偽造対策の流れと、近年の偽造通貨減少の要因にセキュリティ機能に関する情報公開や取締り法の強化が効果を上げていることを示されました。
 また、不正防止技術の側面から、貨幣処理の機械化の事例を1950年代の技術から最新の出納システムやATMユニットに至るメカニズム、高性能化に伴う厳しい要求仕様、ニューラルネットワークを用いた識別アルゴリズムなどを詳細に説明いただきました。
 講演の最後には、約40年にわたる研究開発体験をもとに、「技術者の責任は経営者同様に重いですが、ロマンを持ち続けて課題から逃避せず、粘り強く頑張ってください」と聴講した学生に技術者としての心構えをお話しいただきました。
 講演後の質疑応答では、「貨幣識別処理の今後と紙幣の未来は?」との質問に対して、「μチップなど高度なセキュリティ機能に対しても悪用行為は常に出現し、電子マネーが普及してもそれを持たない層が存在する限り、新しい状況に的確に対応することが要求されます」と貨幣識別技術の将来に向けた重要性を説かれました。

 本シリーズ最終回となる第7回「OITテクノフロンティア」は12月19日、パナソニックオートモーティブシステムズ社 eコックピット事業開発室室長の中村康浩氏を講師に迎え、「次世代のカーエレクトロニクス -eコックピット」と題してご講演いただきます。関心をお持ちの方はぜひご参加ください。