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建築学科の学生が府営住宅の自主改修実験に参加しました

2014.11.04

  • 改修後の模型 改修後の模型
  • 改修後の銭湯部屋 改修後の銭湯部屋
  • 討論会の様子 討論会の様子

 このたび、本学工学部建築学科吉村研究室が、大阪府住宅まちづくり部の協力および1級建築士講座などを担当いただいている日建学院の援助により、大阪府の府営住宅 喜連瓜破東住宅の1室において、住戸を改修しました。他に3大学(関西大学、京都工芸繊維大学、武庫川女子大学)も参加しました。
 この取り組みは、近年高経年の住宅団地が活力を戻すために団地の現状での様々なニーズに対して、住戸を改修し、1週間程度公開し、この企画に携わった有職者、前住人者に見ていただいて感想、評価などを聞き、既存住戸ストックの活用方法や適応性を探っていくものです。
 同研究室では、7月中旬から2か月以上にわたり、現地に通い設計・解体・施工まで手がけました。「ゆとり」をテーマに、コンセプトは、「旅館のような非日常空間」とし、玄関に黒砂利をひき、玄関横の部屋には畳部屋、その奥に浴場。浴槽は温かみの感じられる木製で作り、ゆったりのんびりくつろげる空間を実現しました。
 完成後、同研究室の学生達は、公開開始日から達成感に満ち溢れた笑顔で訪問客を迎え丁寧に説明をしていました。苦労した点は、製図面では、天井が低く、床からの高さを考えての梁の利用方法、せまい空間を広く見せる方法。施工面では、しっくい壁作製に時間を要しました。コスト面を考え材料を既製のものを使わず、自分達の手で一本の原木を製材し、やすりをかけて大変だったと語っていました。また、古い床なので、歩いた時に沈まないように考えて組みなおすことなどで苦労したそうです。木材・畳などのカラー選びも女子学生のセンスにより素晴らしい作品となっていました。日程がタイトであったため、まとめ役の山口君(大学院進学予定)は、「作業を進めることのスケジュール管理、費用の計算などの様々な手続きが大変苦労したがとてもいい経験となった」と感想をもらしていました。
 完成物件公開期間(10月8日~14日)のうち、11日(土)18時から日建学院梅田校において、成果発表会・討論会が開催されました。出席者は、ゲストとして建築家の安原秀氏、星田逸郎氏の2人、4大学の各研究室指導教員と学生、建築関係者など70人程度となりました。第1部会では、各大学が住戸改修における成果発表を行い、第2部では、各大学1人とゲストのお2人、武庫川女子大学の大坪教授計7人での討論会が行われました。討論会は、まずゲストから作品の総評が述べられ、その後各大学に数点質問する方式で行われました。実社会で活動する大人からの厳しいコメントをつきつけられましたが、学生達は一瞬躊躇したものの自分達の意見を回答していました。出席者からは、「若い人達の意見など聞けてとても良かった」と感想が聞かれました。
 この経験は、学生にとって実社会の厳しさなども知り、今後の彼らの将来を考える上で参考となる良い機会となりました。