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第5回「OITテクノフロンティア」を開催しました~エアライン技術力-ものつかいの視点から~
2015.12.09
工学部は12月4日、第5回「OITテクノフロンティア」を大宮キャンパスで開催しました。最終回となる講演会には学生・教職員や一般市民ら200人近くが参加しました。
情報通信、ロボットなど先端分野の最前線で活躍する講師を迎える連続公開講座です。
今回は本学電子工学科(現在は電子情報通信工学科)の1988年度の卒業生で、全日本空輸(株)で長らく整備部門の技術者として勤め、現在はスカイマーク(株)整備部長の野々目慎一氏が「エアライン技術力-ものつかいの視点から-」をテーマに講演しました。
野々目氏は、エンジンの性能が向上しツインエンジンのジェット旅客機が主流となっているなど世界の航空機の現状や航空会社の整備部門組織などを説明。そのあと実際の機体整備について豊富な経験に基づいて解説しました。航空機の寿命は約20年で、年々整備コストが上がり、整備項目も増えていきます。そこで特に重視されるのが「Human Factors」です。「人間の能力は意外と偏っています。誰でも落ちる落とし穴です」と言う野々目氏は、その対策として落とし穴に落ちないように心掛ける「エラーコントロール」と、落とし穴に落ちない環境をつくる「エラーマネジメント」があると指摘しました。
また、整備という「ものつかい」の視点が、機体開発という「ものづくり」にフィードバックされてより良い機体が生まれている整備のもう一つの重要性を強調しました。
国産初のジェット旅客機「MRJ」の話題などもあり、飛行機好きにはたまらない講演となりました。会場からは「ボーイング機とボンバルディア機では整備の工具も違ってくるのですか」など具体的な質問も出され、野々目氏は「同じボーイングでも機種が違えば工具も変わります」など一つ一つていねいに答えていました。